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オスマン帝国外伝 ~愛と欲望のハレム~

オスマン帝国外伝歴史
シーズン数4
IMDbスコア6.6/10
ジャンル 歴史
主要出演者ハリット・エルゲンチュ メルイェム・ウゼルリ セルマ・エルゲチュ
配信中サービス   
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あらすじ

トルコを中心に東地中海を支配したオスマン帝国の第10代皇帝スレイマン。世界的に“スレイマン大帝”の名で知られている彼のハレム(後宮)に、奴隷として献上されたアレクサンドラ(後のヒュッレム)。彼女のハレム入りをきっかけに巻き起こる、スレイマンの寵愛をめぐる女性たちの苛烈な闘争劇を描いた宮廷歴史ドラマ。

オスマン帝国外伝 ~愛と欲望のハレム~の感想

面白い歴史ドラマなのだが、とにかく長いです!!!シーズン1だけで49話もあり、シーズン2は何と78話(日本では79話)、シーズン3は92話、シーズン4は93話あります。合計で311話あり、これはAXNで行っている「CSI : 科学捜査班 全336話コンプリート」に匹敵する多さです。CSIはシーズンが15シーズンあるのでエピソードが多いのは分かるのですが、オスマン帝国外伝はシーズン4しかないのに300エピソード超えは凄いですね。それだけトルコやその周りの中東などで大人気だったのがうかがえます。

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オスマン帝国外伝 ~愛と欲望のハレム~ 予告編

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Season1 エピソード

第1話 新帝の誕生

16世紀初頭、オスマン帝国の領地マニサ県で軍政官を務める皇太子スレイマンのもとに帝都イスタンブールより火急の使者が馳せ参じる。それは父帝セリム1世崩御の知らせだった。スレイマンは第10代皇帝に即位。やがて最盛期を迎える帝国の新時代が幕を開ける。一方、ルテニアの寒村から奴隷として売られた娘アレクサンドラはオスマン帝国の後宮に献上される。不幸な境遇を嘆くばかりのアレクサンドラだったが、ある日、懐かしい人たちが夢枕に立ち、あることを告げる。

第2話 皇帝の宴

オスマン帝国第10代皇帝に即位したスレイマンは潤沢な資金をもとに軍備を進め、ロードス島へ外征することを宣言する。そして腐敗高官を一掃するため、思い切った英断を下す。一方、皇帝妃マヒデブランと皇子ムスタファがトプカプ宮殿に到着する。そんな中、後宮で側女としての教育が始まった、アレクサンドラは宴で妖艶な舞を披露しスレイマンの心をつかむが…。

第3話 初めての夜伽

スレイマン皇帝の寝所へ向かうアレクサンドラは、皇帝妃マヒデブランに先手を打たれ、不本意にも引き返すはめになる。その後、アレクサンドラとの一夜に水を差されたスレイマンは怒りに任せてある行動に出る。一方、オスマン帝国領シリアで反乱が起こったとの知らせを受け、スレイマンは討伐の兵を送る手はずを整える。習わしである皇帝の寝所で過ごす木曜の夜を楽しみにしていたマヒデブランだったが…。

第4話 ヒュッレム

スレイマン皇帝のお召しを受けたアレクサンドラは、その陽気さで皇帝の心をつかむ。ひと晩のみならず、神聖な木曜日すらアレクサンドラを身近に置く皇帝に、皇帝妃マヒデブランは深く嘆き、アレクサンドラへの嫉妬と憎悪を燃やすのだった。皇帝の唯一の皇子の母親である事実を心のよりどころにするも、皇帝のお気に入りとして奔放に振る舞うアレクサンドラとの対立は深まり…。

第5話 皇帝の指輪

牢から解放されたヒュッレム (アレクサンドラ)はスレイマン皇帝の寵愛を受け英気を養う。一方、ハンガリー王国ブダ王宮に向かったオスマン帝国の使者ベフラムは国王ラヨシュ2世に謁見し、朝貢を命じるスレイマン皇帝の書状を手渡す。オスマン帝国トプカプ宮殿では皇帝妃マヒデブランがヒュッレムの指に光るエメラルドの指輪を見て激高し…。

第6話 渦巻く陰謀

後宮での出世を誓うヒュッレム (アレクサンドラ)は、宦官長に協力を頼む。そんな中、皇帝から贈られたヒュッレムの指輪が盗まれ、大騒動に。犯人捜しが始まり、後宮は戦々恐々となるのだった。一方、スレイマン皇帝のもとにはハンガリー王から貢ぎ物が届く。中を見た皇帝は激怒し…。

第7話 命運を分かつ決断

皇帝妃マヒデブランからひどい仕打ちを受け重傷を負ったヒュッレムは女官長ダイェの指示により部屋へ運ばれ秘密裏に介抱を受ける。母后はマヒデブランの居室を訪れ、ヒュッレムに対する常軌を逸した行為を厳しく叱責するのだった。一方、スレイマン皇帝は重臣たちとの会議の席で帝国の命運をも左右する、ある大きな決断を下す。その後、夜伽を命じたヒュッレムが姿を現さないことに業を煮やした皇帝は…。

第8話 燃える野望

スレイマン皇帝のお召しを拒否したヒュッレムのもとに、怒れる皇帝が乗り込んできた。命令に背いた理由を問いただすが、その腫れ上がった顔を見た皇帝は絶句。自分の部屋に連れ帰り、付きっきりで看病する。一方、その間もハンガリー侵攻に向け、着々と準備は進んでいた。出陣を前に、皇帝とヒュッレムは別れを惜しむ。オスマン帝国とハンガリーが決戦を間近に控える中、後宮の女の戦いも新たな局面を迎えようとしていた。

第9話 母后の計略

スレイマン皇帝はベオグラード遠征に出立。皇帝が宮殿を離れている間にさまざまな知識を身につけたいと考えたヒュッレムは後宮宦官長スンビュルに指導を頼む。一方、ベオグラード陥落を目指す皇帝はハンガリー王ラヨシュ2世の急所を突こうと陣中で重臣たちと策をめぐらしていた。そんな中、トプカプ宮殿では皇帝が留守の間に日頃から何かと目に余るヒュッレムを宮殿から追い出そうとする母后の計略が動き出す。

第10話 ハンガリー進攻

母后の計略により、スレイマン皇帝の家臣の息子に嫁ぐことになったヒュッレムは、皇帝の御子を身ごもったと言って時間を稼ぐ。ウソと分かれば死罪と知りながら、愛するスレイマンを思い、かたくなに懐妊だと言い張るが、ついに内診を受けることになり…。一方、遠征中のオスマン軍は、ハンガリー王ラヨシュ2世が滞在している城を取り囲むが…。

第11話 男の戦、女の戦

スレイマン皇帝によるベオグラード制圧の一報が届き、祝賀ムードの漂うトプカプ宮殿。ヒュッレムもまた、おなかの子供の健やかな成長を祈りながら、皇帝の凱旋を待ちわびていた。そんな中、後宮でヒュッレムと皇帝妃マヒデブランが一触即発の火花を散らす出来事が起こる。さらに皇帝から心を引き裂かれるような仕打ちを受けたマヒデブランは…。

第12話 後宮の毒

デザートがスレイマン皇帝とヒュッレムのもとに運ばれた。喜んで食べるヒュッレムだったが、突然、激痛を訴えて倒れる。騒ぎを聞いた母后は食あたりを疑うも、調査の結果、デザートに毒が入っていたと判明。イブラヒムは犯人捜しに奔走する。一方、生死をさまようヒュッレムを前に、スレイマンのヒュッレムへの思いは募り…。

第13話 秘めた思い

毒に倒れ生死の境をさまよったヒュッレム。だがスレイマンの迅速な対応のおかげで一命を取り留める。母后の計らいで広い個室を与えられたヒュッレムは親友マリアを世話係としてそばに置き、身辺に細心の注意を払う。唯一の心の友としてヒュッレムが全幅の信頼を置いていたマリアだったが…そんな中、新たな人物がヒュッレムを蹴落とそうと計略を巡らせ…。

第14話 危険な出産

産気づいたヒュッレムは命懸けで出産に挑んでいた。難産の末に赤ん坊を産み落とすも、腕に抱く前に赤ん坊は儀式のために連れて行かれてしまう。そこにようやく現れたスレイマン皇帝だったが、出産に立ち会えなかったのには秘密の理由があった。ヒュッレム、親友ギュルニハル、スレイマンの腹心イブラヒム、皇帝妃マヒデブラン、皇女ハティジェ、母后など、それぞれの思いや欲望がヒュッレムの出産を機に複雑に交差し…。

第15話 裏切り

出産の夜、スレイマン皇帝の寝所に女がいたことを聞きつけ、逆上したヒュッレムは、ギュルニハルに女が誰であるか突き止めるように命じる。ヒュッレムの尋常ではない様子に命の危険を感じたギュルニハルは、女が自分であることを告げられず苦悩していた。一方、皇帝はロードス島への遠征の準備を着々と進める。そんな中、ヒュッレムの存在をにがにがしく思う小姓頭イブラヒムは…。

第16話 汚れた手

皇子の誕生で皇帝妃となったヒュッレムだが、スレイマン皇帝の寝所に召された親友ギュルニハルを許せず、激情のままに報復を誓っていた。一方、縁談を持ち込まれた皇女ハティジェはイブラヒムへの思いとかなわぬ恋への絶望から雪の中で倒れて発熱。そんな中、顔を合わせたヒュッレムと皇帝妃マヒデブランは激しい火花を散らし…。

第17話 王の刺客

皇女ハティジェの容体は、いまだ回復の兆候がなく母后やイブラヒムの心を悩ませていた。母后の指示で皇子メフメトと引き離されたヒュッレムは皇帝のもとへ直訴に向かうがイブラヒムに追い返されてしまう。後宮で孤立したヒュッレムはしだいに護身となるお守りに執着していくのだった。一方、皇帝スレイマンはロードス島遠征へ向けて着々と戦略を練っていた。そんな中、スレイマンに報復を誓うハンガリー王国ラヨシュ2世は…。

第18話 皇女の婚約

ロードス島への遠征を前に、スレイマン皇帝は後宮で家族とのひとときを過ごしていた。皇女ハティジェを大切に思うスレイマンと母后は、ハティジェの気持ちも知らずに縁談を進めてしまう。望まぬ結婚を憂うハティジェは、イブラヒムへの思いを胸に自暴自棄になり…。そんな頃、ヒュッレムには祈祷師から吉報が伝えられる。一方刺客として送り込まれたビクトリアは…。

第19話 ロードス島への出陣

ハティジェの婚約を祝う宴の夜、別室で影絵を楽しんでいた皇子たちに火の手が迫る。我が子の名を必死で叫ぶマヒデブランとヒュッレムの前に現れたのは皇子ムスタファとメフメトを両腕に抱えたビクトリアだった。皇子たちを救ったビクトリアは母后の信頼を得、一方、ムスタファが放火の犯人だと放言したヒュッレムは皇帝の寵を失う。そんな中、オスマン軍はついにロードス島へ…。

第20話 皇帝の命 (いのち)

ロードス島沿岸で騎士団の急襲を受けた帝国の船が沈み、スレイマン皇帝崩御の一報がトプカプ宮殿に届く。後宮の女性たちは悲しみにうちひしがれ、気丈に振る舞うヒュッレムも流産の危機に…。その頃、戦地では作戦失敗の責任を感じたピリー大宰相が辞任を願い出ていた。ロードス島をめぐるオスマン帝国軍と騎士団の戦いは長期戦に。難攻不落の城塞を打ち破り、オスマン軍は勝利を手にできるのか?

第21話 勝者と敗者

ロードス島を落としたスレイマン皇帝は戦勝を祝う礼拝の最中、何者かに命を狙われる。放たれた短刀から身を挺して皇帝を守ったイブラヒムは、背中に短刀を受け、深手を負ってしまう。一方、トプカプ宮殿ではヒュッレムのお産が始まっていた。難産の末、美しい皇女ミフリマーフを授かるが、皇子を期待していたヒュッレムは喜ぶどころか拒絶する。そんな中、皇帝の命を狙った短刀の意外な持ち主が判明し…。

第22話 煉獄 (れんごく) の住人

スレイマン皇帝の凱旋を待つ後宮では、相変わらずヒュッレムが孤立。しかしヒュッレムは、世界があがめる妃になると女官長に宣言。側女たちと親しくなるべく、金品を贈って宴を開くが…。そんな頃、皇帝が帰還。ヒュッレムは息子ではなく娘を産んだと、許しを請う。チェレビーは病に倒れるも皇女との結婚のために病状を必死で隠す。そんなチェレビーの異変を感じ取ったイブラヒムは…。

第23話 イブラヒムの運命

スレイマン皇帝の逆鱗に触れたイブラヒムは死を覚悟するも、皇帝はイブラヒムに帝国の国璽を差し出し、受け取るようにうながす。皇帝がイブラヒムに激怒して見せたのには裏に大きな意図があった。皇帝は異例の人事を敢行。だが、それを快く思わない者たちが不満を募らせる。後宮ではマヒデブランとヒュッレムが宴の開催をめぐって激しい口論をする。一方、ハティジェ皇女の婚約者チェレビーが重大な問題を抱えていることが発覚し…。

第24話 神聖な木曜日

皇女ハティジェの婚約者チェレビーは胸を患っていた。それが母后やスレイマン皇帝の耳に入る頃、皇子ムスタファがひどいセキをして発熱。感染かと緊張が走る。これを機に皇帝とマヒデブラン妃が接近。心穏やかでいられないヒュッレムは、神聖な木曜日に皇帝を誘い、身支度して待つが…。大宰相となったイブラヒムは故郷への帰省を嘆願。皇女へのかなわぬ思いを胸に、そのまま戻らないかもしれないとマトラークチュに話す。

第25話 故郷へ

皇帝から故郷パルガへ帰省の許しを得たイブラヒムは出立に先立ち、皇帝とハティジェ皇女に手紙をしたためる。イブラヒムは、ある重大な覚悟を持って宮殿を後にするのだった。一方、神聖な木曜日に皇帝がマヒデブラン妃と寝所で過ごしたことを知ったヒュッレムは動揺するも心を平静に保つように努めていた。ヒュッレムは母后のもとを訪れ、ハティジェ皇女の恋について話す。そんな中、パルガで父と再会を果たしたイブラヒムは、悲しい事実を知る。

第26話 ぬれぎぬ

パルガに戻ったイブラヒムは父親と兄と喜びの再会を果たす。後宮ではヒュッレムが側女アイシェと大ゲンカ。「殺してやる」と脅したのを皆に聞かれてしまう。帝国に戻らない覚悟を決め、家族と過ごすイブラヒムのもとに、スレイマン皇帝の使者が現れる。皇帝の手紙には、帝国に戻り、自分の隣で死ねと記されていた。その頃、後宮では恐ろしい事件が起き、あらゆる状況証拠からヒュッレムに疑いがかけられていた。

第27話 聖断

アイシェ殺害の容疑をかけられたヒュッレムは、身の潔白を主張するも最愛の皇帝にさえ信じてもらえず、絶望感にさいなまれる。皇帝もまた、身を切られるような思いでヒュッレムに旧宮殿への追放を申し渡すのだった。一方、イブラヒムは故郷パルガから父と兄を伴い、皇帝が待つトプカプ宮殿へ戻る。今生の別れを覚悟して家族と抱擁を交わし、皇帝の御前に参上したイブラヒムだったが、皇帝から思いがけない命令を拝する。

第28話 ヒュッレムの追放

無実の罪で旧宮殿に追放となったヒュッレム。皇子やスレイマン皇帝と引き離されて、涙ながらに後宮を去る。宿敵の失脚に皇帝妃マヒデブランは満足するが、調査が進むにつれ、アイシェの死がヒュッレムの犯行と思えなくなった者たちもいた。大宰相イブラヒムが聞き込みを続けていると、当日の出来事を目撃したという者が現れ…。そんな頃、ヒュッレムがアレクサンドラと呼ばれていた頃の恋人がオスマン帝国にやってきていた。

第29話 服従か死か

旧宮殿へ追放されたヒュッレムのもとに大宰相イブラヒムが訪ねてくる。イブラヒムはトプカプ宮殿へ戻るための条件を提示するが、ヒュッレムは屈辱的な内容だとして毅然とした態度で突っぱねる。だが一方で引き離された息子メフメトに会いたい気持ちを募らせていた。トプカプ宮殿では皇女ハティジェとイブラヒムの縁組みを公にして祝うための宴が催される。そんな中、招かざる人物の突然の来訪に、出迎えた後宮宦官長スンビュルは慌てふためく。

第30話 美しき悪魔

無実が証明されて宮殿に戻ったヒュッレムは、イブラヒムとの約束どおり、マヒデブラン妃に謝罪し服従を誓う。ヒュッレムの言葉に心を打たれたスレイマン皇帝は、神聖な木曜日にマヒデブラン妃ではなくヒュッレムと過ごす。ヒュッレムの元恋人レオは、イブラヒムの新居に絵を描くことが決定。下見に行ったところにヒュッレムが現れ…。

第31話 心の嵐

母后の誘いで皇女ハティジェとイブラヒムの結婚後に住む屋敷を下見に来たヒュッレム。一方、トプカプ宮殿ではサドゥカが皇帝の命を狙っていた。だが、庭園で遊んでいた皇子メフメトに思いもよらない災難が振りかかったことが幸いし、皇帝の暗殺は未遂に終わる。宮殿へ戻ったヒュッレムは、すんでのところで助けられた皇子の無事に安堵するが、サドゥカを皇帝に差し出した母后の計略を知り、波風を立てずにサドゥカを宮殿から追い出す秘策を考える。

第32話 クリミアの恋人

レオは昔、ヒュッレムと結婚して大家族をつくる約束をしていた。イブラヒムの屋敷に絵を描きながらも、離ればなれになった恋人に思いをはせる。後宮では皇帝妃マヒデブラン懐妊のニュースが駆け巡り、お祝いムードに。しかし、スレイマン皇帝は妃に手も触れていなかった。食欲が増し続けていたヒュッレムは、女官長の指摘をきっかけに診察を受ける。

第33話 壮麗な祝宴

宮殿の庭園で皇帝の肖像画を描き始めたレオ。そこへ皇帝に懐妊の吉報を伝えようとヒュッレムが現れ、レオはずっと捜し続けていた婚約者アレクサンドラが今やオスマン帝国の皇帝妃ヒュッレムであることを知って驚く。一方、イブラヒムと皇女ハティジェの結婚式が執り行われる。喜びに沸く帝都では祝典が9日間も続き、祝賀ムード一色に染まっていた。

第34話 蜜月

宮殿ではヒュッレムの産んだ新皇子の命名式が執り行われ、マヒデブラン妃は沈痛な思いを抱えつつ出席する。イブラヒムと皇女ハティジェは幸せな生活をスタート。スレイマン皇帝は気が滅入っていたヒュッレムを森に連れ出して小鳥を贈る。イブラヒム邸で夕食会が行われ、皇帝の家族が一堂に会すも、母后はイブラヒムの欧州寄りのスタイルに戸惑いを隠せないでいた。そこに屋敷に絵を描いたヒュッレムの昔の恋人レオが呼ばれ…。

第35話 再会

大宰相イブラヒム邸で、ついに対面を果たしたレオとヒュッレム。ヒュッレムは死んだはずの昔の恋人が現れたことに衝撃を受け呼吸困難を起こしてしまう。その後、ヒュッレムは人目を避けて宮殿へ来たレオと言葉を交わす。一方、エジプト州では軍政官アフメトが謀反を起こし、エジプト新皇帝を名乗る。そんな中、忠誠心の厚い女官ギュルシャーは、ヒュッレムに腹立たしさを募らせていたマヒデブラン妃に、ある入れ知恵をする。

第36話 争いの火種

エジプトで反乱が起きたとの知らせが届き、スレイマン皇帝はイブラヒムに反逆者の首を取るよう命じる。後宮ではハティジェ皇女の部屋を巡りひと騒動。母后はマヒデブラン妃に皇女の部屋を与える約束をしていたが、ヒュッレムが皇帝に頼んで横取りする。イブラヒムが命の危険を覚悟して遠征の準備を進める中、すばらしい吉報が届く。一方運命のいたずらで再会したヒュッレムとレオは…。

第37話 反逆者 (ハーイン) の末路

イブラヒムの屋敷で密会したヒュッレムとレオは互いに心情を語る。トプカプ宮殿では後宮女官長ニギャールがマヒデブラン妃から、ヒュッレムの行動を報告しなければ殺す、と脅されていた。一方、アフメト討伐の命を受けてエジプトへ向かっていたイブラヒムは、密使カドゥザーデから思わぬ書簡を受け取る。マヒデブラン妃はスレイマン皇帝とムスタファ皇子の狩りに同行することを楽しみにしていたが…。

第38話 不吉な兆し

エディルネ宮殿での滞在を楽しむスレイマン皇帝と皇帝妃ヒュッレム。しかし、かわいがっていた小鳥の死を不吉な兆しだと考えるヒュッレムは、皇子2人と先に帝都に帰ることになる。その頃、帝都では精鋭軍団イェニチェリが決起。不満を民や都に残る皇帝の家族に向ける非常事態となっていた。ついにはイブラヒム不在の大宰相邸にも軍団が押し寄せ…。

第39話 反逆の代償

精鋭軍団イェニチェリの反乱でイブラヒムの屋敷に身を寄せたヒュッレムたち一行。屋敷の地下へ逃げる途中、レオが命に関わる重傷を負う。さらに、階段を踏み外し転落したハティジェ皇女にも耐えがたい悲劇が襲いかかる。一方、トプカプ宮殿の地下牢に避難していた母后らは、外部と連絡がつかず、不安を募らせていた。そんな中、火急の知らせを受け帝都に戻ったスレイマン皇帝は自らイェニチェリの長官と対峙し…。

第40話 痛みの記憶

エジプトから戻ったイブラヒムは愛する妻ハティジェと久々の対面を果たすが、待っていたのは悲しい報告だった。レオは暴動で受けた傷から回復するも心の傷は癒えずにいた。ヒュッレムはレオに自分との恋を忘れるよう手紙を書くが、それを見てしまった者がいて…。その夜、ヒュッレムは皇帝と夕食を共にする約束をしていたが、皇帝は大宰相邸に泊まることに。そしてヒュッレムが皇帝を待ちわびている間に、当の皇帝は…。

第41話 疑惑

イブラヒムの屋敷に泊まったスレイマン皇帝はハティジェ皇女付きの侍女サドゥカと共寝する。トプカプ宮殿では皇帝の外泊に女性の影を感じたヒュッレムが疑念を募らせていた。一方、マヒデブラン妃からヒュッレムの情報を流すように命じられたニギャール女官長は、見返りとして贈り物を贈られ、板挟みの中で心が揺れる。そんな中、皇妹ベイハンの婿で地方の軍政官に降格されたフェルハトの悪行が取りざたされ、対応をめぐって会議が招集される。

第42話 悲しみと死の宮殿

ハレムに新しい側女たちが送られてきた。中でも軍政官の貢ぎ物である美しいロシア女性が皇帝に仕えると聞き、ヒュッレムの心は騒ぐ。赴任地での暴政と悪行を裁かれたフェルハトは制裁を受ける。それを知ったフェルハトの妻、皇妹ベイハンは、スレイマン皇帝をののしり、もはや家族ではないと言い放つ。新しいロシア人側女が皇帝の寝所に召されたと聞いたヒュッレムは、小鳥を籠から逃がして自由にしたあと、短刀を持って皇帝の部屋に向かう。

第43話 愛の反乱

短刀を持ってスレイマン皇帝の寝所に乗り込んだヒュッレムは、ロシア人側女を宮殿から追い出さないなら自分が出ていくと皇帝に迫る。皇帝はヒュッレムの不遜な態度に激怒。マヒデブラン妃は、事の次第を知り、皇帝の逆鱗に触れたヒュッレムはもうおしまいだとひそかに喜ぶが…。そんな中、ベネチア元首を父に持つ商人アルヴィーゼ・グリッティが皇帝に謁見を許される。帝国で生まれ育ったというグリッティは美しい宝石を献上し、皇帝を喜ばせる。

第44話 悪夢

皇帝妃ヒュッレムはごちそうと金貨で側女たちを味方につける。その頃、宮殿ではベネチア元首の息子アルヴィーゼが皇帝に謁見。聡明さと豊富な知識で皇帝の信頼を勝ち得ていた。皇子ムスタファは弟メフメトに「皇帝になるのは自分」と言われたショックから、横暴な態度でイブラヒムを傷つけてしまう。一方、人前でヒュッレムにひどく罵倒されたマヒデブラン付き女官ギュルシャーは、恨みを募らせてヒュッレムの寝室に侵入し…。

第45話 後宮の凶行

皇帝妃ヒュッレムに仕える側女エスマは、寝台で激しく泣く皇子セリムと流血して生死の定かでないギュルニハルを見つけ錯乱する。治療院へ運ばれたギュルニハルは一命を取り止めたものの深刻な状態が続いていた。ヒュッレムは本当は自分が狙われたのだとひどく怯える。一方、皇帝妃マヒデブランに問い詰められ、凶行を白状した女官ギュルシャーにも受難が待ち受けていた。後宮では大宰相イブラヒムの指揮のもと犯人捜しが始まるが…。

第46話 最後の手紙

ベネチア元首の息子アルヴィーゼ・グリッティはスレイマン皇帝やイブラヒム大宰相と親交を深め、オスマン帝国の外交顧問に就任。フランスはオスマン帝国に助けを求め、オスマン帝国を警戒するラヨシュ2世はバチカンに応援を要請。欧州情勢は次第に緊張が高まっていた。その頃、宮殿ではヒュッレムの昔の恋人レオが故郷に帰ることを決意。最後にひと目会いたいと、いとしいヒュッレムへの手紙をニギャール女官長に託すが…。

第47話 命がけの密会

レオからヒュッレムに宛てた手紙を見つけたイブラヒムは、ヒュッレムを葬るチャンスだと考え、あえて手紙を届けさせる。一方、ベネチア元首の息子アルヴィーゼ・グリッティとその妹を招いた夕食会が開かれることになり、大宰相邸では準備に追われる。その会ではレオの描いた皇帝の肖像画がお披露目されることになっていた。そして夕食会の当日、ヒュッレムとの密会の待ち合わせ場所に現れたレオを、イブラヒムが陰から見張っていた。

第48話 死の宣告

ヒュッレムとの関係を問いただされたレオは、ヒュッレムを救うためと言われて真実を話す。イブラヒムが何かを気づいていると察したヒュッレムは、悪夢にうなされたあと昏倒する。イブラヒムと決着をつけるため、ヒュッレムは母后や皇女の留守中に大宰相邸へ。レオとの関係をすべて知っていると言うイブラヒムと対峙する。その頃、大宰相邸にスレイマンが到着。ラヨシュ2世に送り込まれた暗殺者サドゥカは決行の時をうかがっていた。

Season2 エピソード

第1話 愛の代償

オスマン帝国皇帝スレイマンの首に短刀を突きつけた暗殺者サドゥカ。その頃、レオはヒュッレムを守るため、自ら毒菓子を口にしていた。親友のマトラークチュがハンガリー王ラヨシュ2世の手紙の運び屋になっていたことを知ったイブラヒムは、マトラークチュに残酷な命令をする。レオの一件で完全に敵対したイブラヒムとヒュッレムは、互いに対して宣戦布告。皇帝のお気に入りを自負する2人の戦いが新たに幕を開ける。

第2話 ラヨシュへの報復

皇帝スレイマンは、暗殺者をよこしたハンガリー王ラヨシュ2世への報復を果たすべく、大軍勢を組織。先遣隊として大宰相イブラヒムを送り込む。その頃、ラヨシュ2世はバチカンに救援を依頼。そして遠征に同行しようと考えた皇子ムスタファは、こっそりと馬を走らせていた。イブラヒムの活躍でブダへの道が着実に切り開かれるも、スレイマンは不機嫌を隠さない。イブラヒムは、暗殺未遂の日にヒュッレムと何をしていたかと問いただされ…。

第3話 疑われた忠誠心

皇帝スレイマンは森の中でハンガリー王ラヨシュ2世が放った刺客に命を狙われるも、勇敢な軍司令官の活躍により難を逃れる。皇帝に不信感を抱かせたイブラヒムは皇帝のもとへ行き弁明を試みる。トプカプ宮殿では懐妊の分かった皇女ハティジェが喜びよりも不安を募らせていた。一方、皇帝妃ヒュッレムと女官ニギャールとの間に以前とは異なる微妙な空気を読み取った皇帝妃マヒデブランは、ニギャールを呼び出して事情を知ろうとする。

第4話 モハーチの戦い

オスマン帝国軍の進軍を阻んでいた川に橋が完成し、皇帝スレイマンは架橋の作業に尽力した軍司令官マルコチョールをねぎらう。一方、トプカプ宮殿では母后が中心となり、犠牲祭の準備が進められていた。占星術師からよいお告げを聞き、笑顔が戻った皇女ハティジェだったが、あることがきっかけで皇帝妃ヒュッレムに怒りを爆発させる。そんな中、ついにモハーチでオスマン帝国とハンガリー王国の決戦の火ぶたが切られる。

第5話 皇妃と皇女

ハンガリー王国を落とした皇帝スレイマンは、数々の戦利品と共にイスタンブールに戻る。戦利品の中にはイブラヒムに与えたヘラクレスなどの彫像もあった。その頃、地中海でスペイン船がオスマン帝国の海賊に襲われる。乗っていたのはカスティーリャの王女。それを伝え聞いたベネチア共和国元首の息子アルヴィーゼ・グリッティは、真偽の程を調べ始める。帝都に戻ったスレイマンは久々に家族と再会。ヒュッレムと熱いひとときを過ごす。

第6話 囚われの王女

カスティーリャ王女が拉致されたと聞いたベネチア共和国元首の息子グリッティは解放を求めて海賊船の船長ムラトに会う。だが、思惑をめぐらせるムラトは取引に応じず、グリッティを追い返すのだった。トプカプ宮殿では女官ニギャールが皇女ハティジェの出産が落ち着くまで、しばらく皇女の屋敷に住み込むことになる。そんな中、グリッティから王女の窮状を聞いた大宰相イブラヒムは後宮宦官長スンビュルを呼び出し、ある極秘の指令を出す。

第7話 イブラヒム邸の彫像

ヒュッレムは占星術師ヤクップに毒薬作りを依頼。望みどおりの効果を得るには、対象の人物が片時も離さない物が必要だった。その頃、皇帝スレイマンはオスマン帝国の捕虜となったカスティーリャ王女イサベラと密会。自分を野蛮人とののしる王女に興味を示す。一方、イブラヒムの屋敷には戦利品の彫像が届く。偶像崇拝を禁じるイスラム社会では、それをよく思わない者たちがいて…。イブラヒムの周りに少しずつ不穏な空気が漂い始めていた。

第8話 死の呪い

詩人の集会に出かけたマトラークチュとマルコチョールは屋敷の庭に彫像を飾った大宰相イブラヒムを激しく非難する詩人フィガーニーに会う。トプカプ宮殿では彫像の話を聞き、気分を害した母后が皇帝スレイマンに詰め寄る。スレイマンはカスティーリャ王女イサベルに、ある贈り物をする。皇帝妃ヒュッレムは側女ニリュフェルを使ってイブラヒムを陥れる計画を着々と進めていた。そんな中、皇女ハティジェの体調に異変が起きる。

第9話 慢心の芽

ハティジェ皇女は占いどおり、男の子を出産。しかしお産は順調とはいかなかった。そんな中、ヒュッレムが機転を利かせるが…。囚われの王女イサベラは馬で逃走。婚約者の窮状を知ったフリードリヒ王子は救出を誓う。息子が生まれた喜びから慢心とも取れる言葉を庭の彫像の前で語ったイブラヒム。その後ろにはいつしか皇帝スレイマンが立っていて…。ヒュッレムは後宮の拡張を母后に頼むも、門前払いされてイラ立ちを募らせる。

第10話 浅知惠

アナトリアで起こった反乱は治まる気配を見せず、皇帝スレイマンは大宰相イブラヒムに鎮圧を命じる。だが、息子の健康状態を案じる皇女ハティジェは夫イブラヒムが不在になることを心細く思い、反発する。一方、オーストリア大公国からイサベラ王女の解放を求めて使節が宮殿にやってくる。狩猟の館に女性がいることを知った皇帝妃ヒュッレムはイブラヒムを陥れようと策を講じる。ハティジェを不憫に思う母后は皇帝に異見を呈す。

第11話 招かれざる客

傲慢にならないと誓った皇帝スレイマンだが、冷酷帝こと父セリム皇帝に似てきたと母后に言われたことが気になっていた。狩猟の館にいる女性が皇帝の客人だと知ったヒュッレムは嫉妬心の塊に。ハティジェ皇女は赤ん坊の体が弱いことに悩み、庭の彫像が不幸を呼んでいると疑心暗鬼になる。囚われの王女イサベラを救おうと婚約者フリードリヒ王子は館に向かうが…。フェルディナント大公の使節は新たな提案をスレイマンに持ちかける。

第12話 疑心

園庭で皇帝スレイマンと母后のよそよそしい様子を見た皇帝妃マヒデブランは2人の間に何かあったのではと怪しむ。反乱鎮圧の命令を受けアナトリアへ遠征した大宰相イブラヒムは反乱者の旺盛な勢いに水を差すべく秘策を弄する。一方、皇帝に女性の存在を感じた皇帝妃ヒュッレムは真相を突き止めるべく大胆な行動に出る。狩猟の館に幽閉されているカスティーリャ王女イサベラは不法侵入で捕まった婚約者の身を案じ、ある決意をする。

第13話 燃え上がる炎

狩猟の館に行ったヒュッレムは、皇帝スレイマンが女性と一緒にいるのを目撃。アナトリアに遠征中のイブラヒムは反乱の扇動者や支持者を説得しようと試みるが、交渉は暗礁に乗り上げていた。スレイマンはヒュッレムと過ごしながらもイサベラ王女の姿が頭を離れない。そんな時、王女に危機が訪れ、真夜中にもかかわらず皇帝自ら救出に向かう。ヒュッレムは、嫉妬の炎が激しく燃え上がる中、ハティジェ皇女の屋敷で王女と同席することになり…。

第14話 皇帝の計略

皇女ハティジェの屋敷でカスティーリャ王女イサベラに初めて会った皇帝妃ヒュッレムは、顔が青ざめ、体調を崩す。アナトリアの反乱は大宰相イブラヒムの計略が功を奏して収束へ向かう。皇帝スレイマンは、オーストリア大公のいとこの王子フリードリヒの処遇について決断を下す。一方、オーストリア大公は法王を訪ね、オスマン帝国への対抗策を相談していた。イブラヒムが疎ましいヒュッレムは出すぎたマネをして最悪の結果を招く。

第15話 危険な一手

狩猟の館で皇帝スレイマンはイサベラ王女に口づけをする。それを目撃したニギャールはヒュッレムに報告。嫉妬に駆られたヒュッレムは、激情に任せて王女のいる大宰相邸に乗り込む。しかしスレイマンの心が少しずつ自分から離れているのを誰よりも感じていた。一方、軍司令官マルコチョールは、思い人アルミンが父親によって遠ざけられようとしているのを知り、危険な一手に出る。反発していたアルミンもしだいに心を許すようになり…。

第16話 王女の告解

皇女ハティジェは夕食会で夫イブラヒムになれなれしくする王女イサベラに不快感を抱く。イサベラはイブラヒムに教会で告解がしたいと言い出すが、告解以外にも、ある思惑があった。軍司令官マルコチョールに娘アルミンを誘拐された両替商ジョシュアはイブラヒムに直訴する。だが、その後、イブラヒムは高熱を出し、ひどく体調を崩す。そんな中、嫉妬に燃えるヒュッレムは狩猟の館に乗り込み、再びイサベラに詰め寄る。

第17話 特別な贈り物

皇帝の作った首飾りをイサベラ王女が着けているのを見たヒュッレムは、時が来たら首から奪い取ると宣言。ニギャールはイブラヒムに民間療法を施すが、それをハティジェ皇女に見られてしまい…。マルコチョールはアルミンとの仲を認めてもらおうとするも、イブラヒムにたしなめられることに。母后は後宮で宴を開き、ヒュッレムと王女を同席させる。嫉妬の塊となったヒュッレムはあらゆる手段で皇帝を取り戻そうとする。

第18話 後宮の宣戦布告

皇帝の心が離れてしまったと思った皇帝妃ヒュッレムは、皇帝から贈られ、“愛(アシュク)”と名付けた馬を手放そうとする。御前会議では、ペルシャから来た導師カービズの説法が問題になっていた。傷心が後宮へ王女を招いた母后への怒りへと変わったヒュッレムは、母后にこれまでの不満をぶつけ、脅しをかける。そんな中、会議の最中に皇帝の目の前で大宰相イブラヒムの体調が急変する。一方、イサベラ王女に危険が迫る。

第19話 毒牙

卒倒したイブラヒムのもとに駆けつけたヒュッレム。仕込んだ毒の効果が現れてほくそ笑んでいたが、そこにスレイマンの送った名医が現れる。その頃、狩猟の館ではイサベラ王女がヒュッレムの送り込んだ蛇の毒牙にかかっていた。イブラヒムの看病で疲れていた皇女ハティジェは息子メフメトの授乳中に眠ってしまい…。後宮ではヒュッレムの部屋が皇子ムスタファに与えられ、母親のマヒデブランから独立して生活するようになっていた。

第20話 最後の切り札

愛息メフメトを亡くした皇女ハティジェは母として自らのふがいなさに打ちひしがれ、精神を病んでいく。御前会議では導師ムッラー・カービズの裁きが行われていた。一方、帝国からの脱出を計画していたカスティーリャ王女イサベラは決行の日に教会へ行くが、土壇場になって逃亡を見送る。大宰相イブラヒムはヒュッレムに毒を盛られたことを確信し、秘策をもって反撃に出る。そんな中、ハティジェが驚がくの行動に出る。

第21話 失ったもの

昔の恋人レオの日記をスレイマンの前で読むことになったヒュッレム。青ざめながらも読み上げていくが、恐ろしい知らせが届いた混乱に乗じて日記を中庭に投げ捨てる。すぐさまニリュフェルに取りに行かせるが、その前に日記を拾い上げた者がいて…。息子を失った悲しみに打ちひしがれるハティジェは、母后とエディルネ宮殿で静養することに。そんな中、イサベラ王女をライバル視するヒュッレムは、自分が誘拐して逃がしてやると提案していた。

第22話 死の病

カスティーリャ王女イサベラの生存を知った婚約者フリードリヒ王子は、オーストリア大公フェルディナントに事情を訴える。病床に伏していた両替商ジョシュアの娘アルミンは、診察の結果、恐るべき病名が明らかになる。大宰相邸で献身的にイブラヒムに仕える侍女長ニギャールは、禁断の過ちを犯してしまう。皇帝妃ヒュッレムは宦官ギュルに王女イサベラを逃がす手はずを整えさせ、早朝に王女を送り出すが、思いもよらない事態が起こる。

第23話 夢物語

イサベラ王女はイブラヒムに逃亡を阻止され、狩猟の館に戻された。大宰相邸から宮殿に戻されたニギャールは、部屋に籠もって泣き続け、スンビュル宦官長の怒りを買うことに。マルコチョールは病身の恋人アルミンと、幸せな未来を語ったあと結ばれる。イサベラ王女を帝国から追い払ったと信じるヒュッレムは、母后の居ぬ間に宴を開き…。イサベラ王女は、いつしかスレイマンへの思いが心の中で大きくなっていることに気づく。

第24話 奪い合う愛

エディルネ宮殿から母后の一行が帰ってくるが、母后は皇帝妃ヒュッレムが宴に興じる姿を見て激怒する。一方、軍司令官マルコチョールは最愛の妻アルミンを弔い最後の別れを告げる。そんな中、旧宮殿への追放からニギャールを救いたい宦官ギュルは追放を阻止するために奔走していた。静養から戻った皇女ハティジェが皆を屋敷へ招待する。美しく装って参加したヒュッレムだったが、皇帝スレイマンと親しく会話する思いがけない人物の姿を見て驚く。

第25話 邪視

イサベラ王女が後宮に入ることになり、ヒュッレムは心穏やかではいられない。スレイマンに詰め寄るも逆に諭され、不満はますます高まるばかり。母后もイブラヒムも波乱の兆候を感じ取っていた。ニギャールは旧宮殿行きを阻止してもらった代償に、ヒュッレムに協力を求められる。ライバルを全員倒すと宣言したヒュッレムは、王女を排除すべく、よからぬ考えを巡らせていた。その頃、ハンガリーを巡る情勢も少しずつ緊張を増していた。

第26話 狙われた王女

皇帝妃ギュルフェムと夕食を共にしていた皇女ハティジェは、もう一度、占星術師ヤクップに占ってもらいたいと考えていた。皇帝妃ヒュッレムを排除したい大宰相イブラヒムは後宮女官ニギャールを使って、ある策略を練る。一方、ヒュッレムもまた、皇帝スレイマンの寵愛を奪うカスティーリャ王女イサベラを亡き者にすべく黒死病に乗じた暗殺計画を始動させる。それぞれの思いが交錯する中、事態は思わぬ方向へ展開していく。

第27話 尽きぬ野望

ヒュッレムはイサベラ王女を監禁。その後始末をニギャールとギュルに命じる。翌朝、王女がいないと分かった後宮は大騒ぎに。スレイマン皇帝の命令で捜索が行われるも、有力な情報は一切見つからなかった。一方、王女を使ってヒュッレムを陥れようとしていたイブラヒムも、予想外の展開に翻弄されていた。ヒュッレムは、大きな野望を娘に語るが、それを扉の陰で聞いている者がいて…。母后はヒュッレムへの対応をスレイマンに直訴する。

第28話 近づく嵐

皇帝妃ヒュッレムの傍若無人な振る舞いに業を煮やした母后はヒュッレムに対する風当たりを強くし、締め付けを図る。一方、オーストリア大公フェルディナントは皇帝スレイマンに使節を送り、帝国が支配下に置いた領土の返還を求めてくる。そんな中、母后から女官長ダイェに、ある恐ろしい計画の実行が命じられる。立ち聞きで計画を知った側女ニリュフェルは血相を変えてヒュッレムに知らせる。そして、ヒュッレムの身に恐ろしい事が起こる。

第29話 憎しみの連鎖

愛馬を殺されて激高したヒュッレムは、凶器となった自分の短刀を手に母后の部屋に押しかけ、母后を責め立てる。小姓頭マルコチョールがスレイマン皇帝の命令で犯人を捜すが、出てくる証言はどれもある1人の人物を示唆していた。マルコチョールの聞き込みに対し、ヒュッレムも母后も腹心の部下への嫌疑を否定。その頃、欧州遠征の総司令官となったイブラヒムを批判や陰謀から守るべく、スレイマンは特別な勅令を発していた。

第30話 ウィーン進軍

皇帝妃ヒュッレムの愛馬殺害の容疑で投獄された側女ニリュフェルは牢でうちひしがれていた。母后と対峙したヒュッレムは、自分への怨嗟はあといくつ犠牲を払えば消えるのかと悲痛な思いを吐露する。そんな中、皇帝スレイマンがウィーン遠征に出発する。迎え撃つ神聖ローマ帝国皇帝カール5世も着々と準備を整えていた。一方、宮殿ではヒュッレムが思いがけず母后に過去の秘密を知られてしまい、かつてないほどの危機に直面する。

第31話 包囲

元婚約者レオの手帳を手にした母后に問い詰められたヒュッレムは、不義の関係ではないと必死に弁明。数々の知られざる事実を聞いた母后はショックを受ける。隙を見て手帳を奪おうとするヒュッレムだったが、なかなかうまくいかない。その頃、欧州に進軍した皇帝スレイマン率いるオスマン帝国軍はウィーンの城を包囲。しかし、その頭上には暗雲が広がり始めていた。宮殿で四面楚歌となったヒュッレムは、ある取引を持ちかけるが…。

第32話 後宮の反乱

皇帝妃ヒュッレムは、まんまとレオの手帳を手に入れ、母后の目の前で勝ち誇ったように燃やしてみせる。一方、ウィーンへ迫るオスマン軍であったが、悪天候に悩まされ、撤退することに。皇帝妃ヒュッレムは帝都に戻った皇帝スレイマンにさっそく自分の身分解放を迫る。大宰相イブラヒムへの許されない恋心に悩む女官ニギャールはしだいに自分を追い込んでいく。そんな中、さらなる野望を抱くヒュッレムが皇帝に対して大胆な行動に出る。

第33話 賭け

自由の身となったヒュッレムは、結婚しないかぎり同衾できないと夜伽を拒否。結婚が目的で身分解放を求めたと知ったスレイマン皇帝は激怒し、ヒュッレムの処罰を命じる。大宰相邸では道ならぬ恋に悩むニギャールが、イブラヒム宛ての遺書をバイオリンの箱に入れて屋上へ。その手紙を皇女ハティジェが見つけてしまい…。マヒデブランがスレイマンに召されて怒りに震えるヒュッレムだが、結婚という野望のため、犠牲を承知で大きな賭けに出る。

第34話 戦う理由

ベイコズの館で幼い皇女ミフリマーフが高熱を出し、病状を案じた皇帝スレイマンが見舞いにやってくる。皇帝に会えたうれしさを隠せないヒュッレムだったが、皇帝は冷たい態度でヒュッレムを突き放すのだった。一方、皇女ハティジェの屋敷を皇帝妃マヒデブランが訪問し、女官ニギャールは不吉な存在だと吹き込む。そんな中、ヒュッレムが後宮に再び返り咲くことを恐れる母后は大宰相イブラヒムに接触し、ある陰謀を持ちかける。

第35話 暗殺

山賊に襲われたヒュッレムは、森の中で凍えているところを発見され、スレイマン皇帝に抱えられて宮殿に戻る。マルコチョールを独断で護衛につかせたダイェに母后は不審の目を向ける。スレイマンは事件を裏で操る者がいるのではと危惧。そんな頃、病床のヒュッレムは自分たちの敵が仕組んだのだと弱々しくスレイマンにささやいていた。その一方で母后には必ず皇帝と結婚すると宣言。結婚という野望に向けて、着々と外堀を埋めていた。

第36話 祝典

後宮の熾烈な戦いを制するため、皇帝妃ヒュッレムは忠義な者を集めるように宦官ギュルに命じる。一方、皇子ムスタファとメフメトが割礼式を迎える。帝国の栄華を極めた祝典にご満悦の皇帝スレイマン。身重の皇女ハティジェは占星術師の予言に不安を募らせていた。帝都が割礼式の喜びに沸く中、祝典の催しに紛れて不穏な動きをする者が現れる。ヒュッレムを裏庭に呼び出した皇帝は、ヒュッレムに思いがけないものを見せる。

第37話 回りゆく毒

華やかな割礼式に隠れて結婚の儀を執り行ったスレイマン皇帝とヒュッレム。後宮に報告に行くが、母后から厳しい言葉を受けることになる。その頃、ヒュッレムの命令を受けた暗殺者がイブラヒムを狙っていた。計画を中止したはずが、何者かの放った矢がイブラヒムの背に突き刺さり…。奴隷の身分から解放されて皇帝の正妻となったヒュッレムだが、欲望と憎悪は一向に収まる気配を見せず、まだ胸の中で燃えたぎっていた。

第38話 深まる溝

大宰相イブラヒムの暗殺を企てた者は誰か?皇帝妃ヒュッレムは自分の刺客が犯人ではないかと疑い宦官ギュルを問い詰める。一方、暗殺未遂事件のことを何も知らされていなかった皇帝スレイマンは激怒し、早急な調査を命じる。瀕死の床にあるイブラヒムは、回復へのいちるの望みを抱いて湯治を試すことに。ヒュッレムの尊大な態度に堪忍袋の緒が切れた母后はヒュッレムを巧みな罠にかけ、念願の正妻の座を失うかもしれない危機がヒュッレムを襲う。

第39話 死の淵(ふち)より

レオの死の秘密をスレイマン皇帝の前で暴こうと、母后はヒュッレムを呼び出して問いただす。スレイマンは部屋の中に身を隠し、2人の話を聞いていた。癒やしの洞窟で解毒治療を続けるイブラヒム。献身的に介護するニギャールだが、イブラヒムへの秘めた思いを宦官長に知られてしまい…。宮殿では、帝都に舞い戻った高官が、イブラヒム暗殺未遂事件の黒幕候補の1人に挙がっていた。自白を導こうとマルコチョールが罠を仕掛ける。

第40話 妃の冠

正妃となったヒュッレムは、世間から皇帝を惑わした魔女だとウワサされていた。一方、内政が混乱しているクリミア・ハン国から母后の姪アイビゲ王女が帝都に到着。民に健在ぶりを知らしめるために街へ出たイブラヒムは、不測の出来事に遭遇する。豪華な冠が完成したヒュッレム。得意げにかぶって現れるが…。皇女ハティジェが産気づいた頃、宮廷史家マトラークチュに嫁いだ女官ニギャールには、まさかの事態が起こっていた。

第41話 マヒデブランの決断

結婚式を終えたニギャールの前に突然現れたイブラヒム。2人はマトラークチュの家で秘密の関係を続けることになり…。イブラヒム不在の大宰相邸ではハティジェの出産が始まっていた。一方、マヒデブランは、スレイマン皇帝に軽んじられる怒りと悲しみが限界に達していた。愛の暴走を母后とイブラヒムが案じる中、皇帝に気持ちをぶつけてしまい…。そんな母を見た皇子ムスタファは父である皇帝と向き合い、母を守る決意を語る。

第42話 暗闘

エディルネ宮殿へ移ることになった皇帝妃マヒデブランと皇子ムスタファが出発の前に皇帝妃ヒュッレムの部屋にあいさつに来る。一方、御前会議では新たな遠征が話し合われていた。酒場に行った宦官ギュルはひょんなことから重大な秘密を知ってしまう。母后は皇帝妃ヒュレムを夕食に招くが、ヒュッレムは何か裏があるのではないかと怪しむ。そんな中、互いに致命的な弱みを握ったイブラヒムと元アナトリア軍政官ベフラムが激しい攻防を繰り広げる。

第43話 派閥争い

イブラヒムとニギャールの関係を知る元アナトリア軍政官ベフラムが、スレイマン皇帝に奏上することとなり、秘密の発覚を恐れたイブラヒムは許可も取らずに皇帝の前に進み出る。後宮では母后がヒュッレム派の締め出しを画策。ヒュッレムに賃上げを邪魔されたと思った側女たちは、母后派とヒュッレム派に割れて、ついには暴動を起こし…。ベフラムに脅迫されたイブラヒムは、要望を聞くふりをしつつ、ベフラムのいる酒場に向かう。

第44話 入隊式

月日は流れ、1532年、皇帝スレイマンと皇帝妃ヒュッレムは4人目の皇子ジハンギルを授かっていた。エディルネ宮殿から、りりしく成長した第1皇子ムスタファが、母であり皇帝妃であるマヒデブランとトプカプ宮殿に戻ってくる。ムスタファに後宮が用意されるという話を聞き、色めき立つ側女たち。ヒュッレムは息子たちの皇位継承のライバルとなるムスタファの厚遇に嫉妬心を燃やす。そんな中、母后が宮殿に不思議な占い師を招く。

第45話 頂上対決

後宮で孤立するヒュッレムは、巡回を強化させ、新たなお付きの者たちに身の回りを警護させる。手下の側女たちに金品を振る舞うも、そのことで後宮はさらに敵と味方に分裂することに。そんな時、ヒュッレムを批判した側女が血の海の中で発見されて…。その頃、遠征中のスレイマン皇帝のもとにはオーストリア大公やフランス国王の使節が代わる代わる訪問していた。列国との駆け引きが続く中、順調に進軍するも、包囲戦で苦戦を強いられる。

第46話 憎悪の炎

大宰相イブラヒムが率いる軍はウィーン東南の小都市ギュンスで包囲戦を展開。神聖ローマ帝国皇帝カール5世はモハーチの戦いでのラヨシュ2世の二の舞いを恐れ、スレイマン皇帝との会戦を避けようとする。その頃、後宮で側女の給金の盗難事件が起こる。皇帝妃ヒュッレム派とそうでない者たちの不和は、もはや修復不可能なまでに悪化。反ヒュッレム派の側女たちは、ヒュッレムがすべての元凶とばかり、怒りを爆発させ、危険な行動に出る。

第47話 傷痕

後宮で起きた側女たちの反乱により火をつけられたヒュッレムは、重傷を負っていた。遠征中のスレイマン皇帝に手紙で知らせるも、イブラヒムの判断で皇帝には届けられない。スレイマンに包み隠さず報告したと母后に告げたヒュッレムは、自分の証人として思わぬ人物を挙げる。後宮では人事の変更があり、スンビュル宦官長やギュル宦官が色めき立つ。そんな中、昇進を遂げたのは…。その頃、オスマン軍の長い遠征も終わりを迎えていた。

第48話 皇子の宴

皇帝妃マヒデブランは遠征から戻った皇子ムスタファの労をねぎらうために宴を計画。宴で舞を披露する側女の1人に皇帝妃ヒュッレムのお付きだったノラが選ばれる。大宰相イブラヒムは母后とヒュッレムのために食事会を開くが…。後宮の新女官長に就任したギュルシャーは、これまでのうっぷんを晴らすかのように威張り散らし、ダイェを侮辱。激怒したヒュッレムがギュルシャーを威嚇し、ついにはヒュッレムとマヒデブランの戦いに発展する。

第49話 反抗

ヒュッレムに侮辱されて泣き崩れるマヒデブランを見たムスタファは、スレイマン皇帝の所に押しかけ、母と自分の運命を決めるのはスレイマンなのかヒュッレムなのかと問い詰める。ムスタファの行動にスレイマンは激高。いつか息子を手にかけるのではないかと不安になる。大切な金曜礼拝を父親への抗議で欠席すると言うムスタファ。皇帝への謀反とも取られかねない危険な決心を前に、マヒデブランは息子を説得しようと奔走する。

第50話 角が生えた男

酒場に入り浸り浴びるように酒を飲む宮廷史家マトラークチュを家まで送った小姓頭マルコチョールは、妻であるはずのニギャールが家にいないことを不審に思う。一方、宮殿では皇帝スレイマンに反発心を抱く皇子ムスタファが金曜礼拝にも姿を見せず、母であるマヒデブラン妃をやきもきさせていた。そんな中、クリミア・ハン国の王女アイビゲに帰国の日が迫る。だが、母后とマヒデブラン妃の思惑により、事態は意外な展開を見せる。

第51話 良縁

ムスタファとクリミアの王女アイビゲの縁談が決まり、戸惑う本人たちをよそに周囲はお祝いムードに。そんな中、ムスタファの権威が増すことを恐れるヒュッレムは、ムスタファとアイビゲのそれぞれの恋心を利用して縁談の破談をもくろむ。イブラヒムとニギャールの不義の関係に巻き込まれたマトラークチュは疲れ果て、ついに行動に出る。イブラヒムは石職人に自分の胸像を作らせることにするが、それが原因でハティジェと不穏な空気に…。

第52話 政略結婚

母后と皇帝妃マヒデブランはムスタファ皇子の縁談の妨げになるとして側女エフスンを旧宮殿へ送る。マヒデブランはムスタファが縁談を承諾するよう大宰相イブラヒムに説得を頼む。一方、クリミアの王女アイビゲとの許されない愛に葛藤する小姓頭マルコチョールは、アイビゲの愛を受け止め切れす酒と美女に逃げていた。体調を崩したと言う女官ニギャールを見舞った女官長ダイェは見てはいけないものを目撃してしまい…。

第53話 イブラヒムの首

胸像の首をスレイマン皇帝に斬り捨てられたイブラヒムは、すべてを捨てる覚悟を決める。突然、イブラヒムがいなくなったことにハティジェ皇女は困惑。イブラヒムの胸像の首が届いたことから、スレイマンがイブラヒムを殺したとのではないかと疑心暗鬼になり…。後宮ではムスタファとアイビゲの婚約式の準備が始まる。そんな中、マルコチョールやアイビゲ、ニギャールも、思いどおりにならない愛や苦しい思いを抱えていた。

第54話 婚約式

皇子ムスタファとクリミアの王女アイビゲの婚約式が明日に迫り、もしイブラヒムがそれまでに戻らなければ皇帝から厳しい沙汰が下る事態となる。ハティジェ皇女はイブラヒムの命を守るため、ムスタファをイブラヒムのもとへ…。そんな中、アイビゲの父サーヒブ・ギレイが帝都に到着。アイビゲに思いを寄せるマルコチョール、2人の結婚を阻止したい皇帝妃ヒュッレムなど、それぞれの思いが交錯しながら、ついに運命の婚約式を迎える。

第55話 大勝負

婚約式には出席したものの、許可なく去ろうとしたイブラヒムをスレイマン皇帝は投獄。イブラヒムは夜を地下牢で過ごした後、目隠しをされて連れていかれる。ムスタファの寵愛を受けるエフスンがヒュッレムの手先であると気づいたファトマは、ギュルシャーに報告しようとするが、逆に脅されることに。その頃、戻らぬイブラヒムを案じるハティジェの前にヒュッレムが現れ、不吉な知らせを告げる。果たしてイブラヒムの運命は…。

第56話 皇帝の天秤

皇子ムスタファとクリミアの王女アイビゲの婚約式を終え、クリミア・ハン国の君主サーヒブ・ギレイが帰路に就く。側女エフスンがヒュッレムの手先だと知った皇帝妃マヒデブランは激怒。大宰相の職務に復帰したイブラヒムは不在時にアヤス宰相が承認した助成金の決定に異を唱える。皇女ハティジェはイブラヒムの態度に不信感を抱いていた。エフスンのことでマヒデブランにののしられたヒュッレムは激高するも皇子ムスタファに戒められる。

第57話 新たな対立

ムスタファにいさめられたヒュッレムは、涙ながらにスレイマン皇帝に訴えるが、スレイマンは逆にヒュッレムに謝罪を要請。ヒュッレムはムスタファへの憎しみを募らせる。裏切りが発覚した側女エフスンは、マヒデブランとムスタファへの忠誠を証明することに。イブラヒムに恨みを持つ教団の動きは、宮殿の人間も巻き込みながら大きくなっていた。謝罪の一件でムスタファの脅威を味わったヒュッレムは、恐ろしい計画の実行を告げる。

第58話 皇子の災難

尊師と呼ばれる謎の人物は、教団の問題でイラ立つ大宰相イブラヒムをさらに追い詰めるべく、宮廷史家マトラークチュを教団に取り込むよう指示する。ヒュッレムはエフスンを呼び出し、ムスタファ排除のための劇薬を渡す。一方、末の皇子ジハンギルは火がついたように泣き続け、医女が診察するも原因が突き止められず、皇帝は医師長ヤセフを呼ぶ。そんな中、ムスタファがエフスンを夕食に誘う。劇薬をしのばせるエフスンに決断の時が迫る。

第59話 運命と罪

ムスタファの食事に毒を盛るようヒュッレムに命令された側女エフスンは、恋心との間で葛藤。その頃、ヒュッレムの末の息子ジハンギルも背骨の痛みに泣き叫んでいた。ヒュッレムは祈祷師を呼んで占ってもらうが、その占断に苦悩が和らぐどころか激怒する。ムスタファと婚約中のクリミアの王女アイビゲは、結婚式の前に一時帰国することに。アイビゲの思い人を知るヒュッレムは…。

第60話 愛の行方

尊師は、教団指導者サーリムに教団存続の危機をあおり、大宰相イブラヒムを排除するようにけしかける。椎骨に障害を持つ末の皇子ジハンギルが医師長ヤセフの治療を受けることになる。皇子ムスタファのお気に入りの側女エフスンが倒れ、医師の診察を受ける。クリミアの王女アイビゲと小姓頭マルコチョールはクリミアへ向かっていた。一方、家族で休暇に出かけたイブラヒムに命の危険が迫る。そんな中、スレイマンの体に異変が現れる。

第61話 不例

昏倒した皇帝スレイマンは呼吸停止に陥る。名医ヤセフの懸命の治療で息を吹き返すも、意識は戻らないままだった。その頃、教団の刺客がイブラヒム一家の馬車を襲撃。皇女ハティジェが盾に取られてしまう。眠り続けるスレイマンは父帝との会話を夢に見ていた。ヒュッレム、マヒデブラン、イブラヒムもそれぞれスレイマンとの思い出を回想。後宮ではスレイマン亡き後の継承問題が話題に。マヒデブランはムスタファを玉座に就けるべく動き出す。

第62話 死を迎える時

皇帝スレイマンに回復の兆しはなく、宦官ギュルは皇位継承者以外の皇帝の子供は排除されるという“兄弟殺し”の習わしを心配し、皇帝妃ヒュッレムに子供たちを宮殿から連れ出すよう勧める。皇子ムスタファの母マヒデブランは、皇帝亡き後、ムスタファが帝位に就くことを思い描いていた。祖国クリミアへ向かった王女アイビゲと小姓頭マルコチョールは不義の罪を疑われ、宮殿へ連れ戻される。そんな中、使節の間でも皇帝の健康不安説が流れ始める。

第63話 忠誠と裏切り

意識が戻った皇帝スレイマンは家族の祝福を受ける。スレイマンはヒュッレムに病床で皆の忠誠と裏切りを見たと語る。アイビゲとの駆け落ちの疑いで連れ戻されたマルコチョールは地下牢へ。その処分はムスタファに委ねられる。またもニギャールの家で夜を明かしたイブラヒムに、ハティジェの疑念は高まるばかり。ムスタファの側女エフスンは食事中に気分が悪くなったことから、妊娠していないか診察を受けることになり…。

第64話 残酷な規則

皇帝妃マヒデブランに皇子ムスタファの子が宿っていることを知られた側女エフスンは堕胎処置を施されそうになる。マヒデブラン妃は、堕胎に反対するムスタファに後宮の規則を説くのだった。大宰相イブラヒムの不審な行動に疑問を抱いた皇女ハティジェは密偵イドリスから尾行の報告を受ける。東方遠征を控えた皇帝スレイマンはイブラヒムに命じ、神聖ローマ帝国皇帝カール5世との和平交渉を進めるように言う。そして小姓頭マルコチョールに処刑の日が訪れる。

第65話 魔女

ムスタファの側女エフスンは堕胎手術中に大量出血。意識がもうろうとする中、ヒュッレムにムスタファの毒殺を命じられたことを明かす。その事実がマヒデブランとムスタファからスレイマン皇帝に伝えられ、ヒュッレムの運命はスレイマンに委ねられることに。ヒュッレムは自分を陥れる中傷だと訴えるが…。一方、イブラヒムと不義の関係にあるニギャールにある事実が発覚。ダイェに相談しているところを医女に立ち聞きされてしまう。

第66話 去りゆく者

側女エフスンが命を落とし、責任を問われて追放を言い渡された産婆アレフェは女官ニギャールの醜聞を逆手に取り女官長ダイェを脅す。ところが、逆上したダイェはアレフェを平手打ちし、最悪の事態を招いてしまう。皇帝妃ヒュッレムに憎悪の炎を燃やす皇帝妃マヒデブランは、ヒュッレムの弱点を突く手で報復をたくらんでいた。大宰相イブラヒムはオーストリア大公フェルディナントの使節との和平交渉に臨む。

第67話 悲劇の前触れ

イブラヒムの不義の相手がニギャールだと知った母后は激怒。ニギャールを問い詰めるが、さらなる事実を告げられ、大きなショックを受ける。スレイマン皇帝に報告しようとしたところ、母后は発作を起こして昏倒。そのまま意識を失ってしまう。母后の回復に時間がかかる場合、後宮は代理人が運営することになる。規則では最年長の皇子の母親であるマヒデブランだが、後宮を仕切る絶大な権限をヒュッレムも狙っていて…

第68話 祈る思い

昏睡状態に陥った母后の容体を案じるダイェは、道ならぬ恋に走るニギャールのせいで母后が倒れたのだとなじる。一方、遠征準備に旅立つ大宰相イブラヒムは望んだ予算が下りないことに腹を立てていた。母后に一目会いたいダイェはひそかに宮殿へ忍び込むが、皇帝妃マヒデブラン一行に見つかり、追い出される。皇帝妃ヒュッレムは母后に付き添えるのはダイェしかいないと皇帝に訴え、ダイェ復帰の道筋をつける。そんな中、母后の容体に変化が訪れる。

第69話 権力の行使

皆の祈りが通じて意識の戻った母后だが、全快には程遠い状態だった。しかし追放処分になったダイェも看病に戻り、少しずつ回復の兆しが見え始める。後宮を運営する権限を手にしたマヒデブランは、早速改革に着手。それが面白くないヒュッレムはスレイマン皇帝に訴える。一方、財務長官イスケンデルはオーストリアとの和平協定の写しを入手。皇帝と同等であるかのようなイブラヒムの発言に憤慨し、スレイマンの御前に向かっていた。

第70話 駆け引き

皇帝妃マヒデブランの後宮の支配に辟易した皇帝妃ヒュッレムは、皇子ムスタファを早く地方へ赴任させて、マヒデブランを同行させ、宮殿から追い出そうと画策する。ヒュッレムは財務長官イスケンデルに近づき、策を練るのだった。一方、さらなる失態を犯した女官ギュルシャーは、マヒデブランを諦め、新たな主人を求める。スメデレボへ逃がしたはずのニギャールがまだ後宮にいることを咎めたイブラヒムは驚くべき事実を知り絶句する。

第71話 地獄への道

ニギャールが妊娠していると知ったイブラヒムは激怒。しかも対策を話し合っていたところを立ち聞きされてしまう。マヒデブランの信頼を失ったギュルシャーは旧宮殿に追放されることに。ヒュッレムの命令で皇子メフメトの個室の準備を進めたニギャールは、マヒデブランの怒りを買って解任される。財務長官イスケンデルはイブラヒムと対立して罷免に。そんな中、ギュルシャーは必死でヒュッレムに連絡を取ろうとしていた。

第72話 どんでん返し

皇帝妃マヒデブランの後宮支配に業を煮やした皇帝妃ヒュッレムは、腹心の宦官ギュルと行動に出る。マヒデブラン妃に従う側女ファトマは、あの手この手で皇子ムスタファに取り入ろうとしていた。そんな中、母后が命を狙われる。暗殺は未遂に終わったものの、宮殿を揺るがす大事件に皆、動揺を隠せない。一方、行商人の女がヒュッレムを訪ねてやってくる。女の伝言を聞き、離宮へ向かったヒュッレムは、まさかの人物と対面する。

第73話 暴かれる秘密

一命を取り留めたギュルシャーは、ヒュッレムに情報を提供する代わりに庇護を求める。後宮の運営権を得たマヒデブランは、ムスタファの地方赴任の準備の名目で贅沢品を購入。母后を計略の駒にしてハティジェの怒りを買ったヒュッレムは、自分が始めたケンカではないと言い放ち…。後宮がさまざまな欲望に揺れる中、母后が回復の兆しを見せ、明るい空気に。ニギャール追放で空きになっていた後宮出納官は、スレイマン皇帝が直々に任命する。

第74話 偉大なる母后

後宮出納官に就任した皇帝妃ギュルフェムは皇帝妃マヒデブランの浪費を指摘する。皇帝スレイマンは、夢見が気になり、乳兄弟ヤフヤに占ってもらう。側女ファトマは、ずる賢く立ち回り皇子ムスタファの心を奪おうとする。おなかが目立ってきたニギャールは帝都を離れるが、道中、不審な者たちに襲われる。皇帝妃ヒュッレムは、母后を見舞い、これまで抱えてきた思いと共に、ある決意を伝える。その直後、母后の容体は急変し…。

第75話 新たな秩序

ヒュッレムがハティジェにイブラヒムの不貞を明かそうとしたその時、母后の容体が急変。スレイマン皇帝も後宮も悲しみに暮れていた。そんな中、皇子ムスタファの地方赴任の日が迫り、新たな秩序のもとで皆が再出発を模索する。ハティジェの帰りを待っていたヒュッレムは、手の内に隠していたニギャールをイブラヒム排除のために引っ張り出す。イブラヒムは謎の人物の正体を調査。後宮を辞したダイェは、人知れず下働きの生活を始めていた。

第76話 自責の念

大宰相イブラヒムは詩人フィガーニーから得た情報をもとに“尊師”につながる人物を調べる一方、ニギャールの行方を捜す。母后の後継として後宮の運営を任された皇帝妃マヒデブランは母后の部屋に移るため、改装に着手。それを知った皇帝妃ヒュッレムは心穏やかではいられず後宮出納官ギュルフェムに苦情を言う。母后の死を思い、自責の念に駆られていたダイェは悲劇の決断をする。匿名の不審な手紙を受け取った皇女ハティジェは深く苦悩する。

第77話 懐の蛇

イブラヒムの不貞を密告する手紙に書かれていた家に向かったハティジェは、おなかの大きなニギャールを見つけて衝撃を受ける。スレイマンは棒術の試合中にカッとなり、ムスタファを殴打。父帝と同じように息子の成長を喜べなくなっている自分に気づく。イブラヒムはついに尊師を追い詰めるが…。マニサ赴任を翌日に控えたムスタファは、弟たちやマヒデブランと別れを惜しむ。ハティジェはニギャールの子供の父親を調べることに。

第78話 愛が壊れる時

皇女ハティジェは宮廷史家マトラークチュを呼び出し、ニギャールの腹の子の父親は誰かと問い詰める。マニサへ向かう出立式の日を迎えた皇子ムスタファは盛大に見送られて宮殿を後にする。ユダヤ人両替商から借金を重ね、首が回らなくなった皇帝妃マヒデブランは、後宮出納官ギュルフェムにも事情を知られ、窮地に陥る。ヒュッレムは大宰相イブラヒムの不貞の証人をハティジェに引き合わせる。ヒュレムの逆襲が、いよいよ始まる。

第79話 最後の勝者

ギュルフェムが後宮で襲われた。犯人が名前を出したことから、スレイマン皇帝はマヒデブランの命令と判断。マヒデブランは否定するが…。その頃、ヒュッレムの計略でニギャールとの不貞が露見したイブラヒムは、ハティジェと対面していた。後宮の運営を誰に任せるか、スレイマンはギュルフェムに相談。その答えはスレイマンの考えと一致していた。ヒュッレムは奴隷として宮殿に来た時の自分を回想。後宮だけでなく世界の支配者になると誓う。

Season3 エピソード

第1話 後宮の支配者

かつて地中海の大海賊であり、先帝セリム1世から州軍政官に任じられたフズル・ハイレッディン、通称バルバロスの船が大海原を進んでいく。難破船に遭遇したバルバロスは、ペルシャ語を話す女を助ける。一方、トプカプ宮殿では、ついに後宮の頂点を極めた皇帝妃ヒュッレムが、感慨深げにテラスからボスポラス海峡を眺めていた。そんな中、鬼気迫る表情で皇女ハティジェが参内する。イブラヒムは予定を早め、帝都から逃げるように遠征へ向かう。

第2話 結託

後宮の支配者となったヒュッレムは、亡き母后の部屋を自分のものにしようと画策していた。空室のままにするというスレイマン皇帝の意思と慣例に反したヒュッレムの行いを阻止すべく、ハティジェ皇女、マヒデブラン、出納官ギュルフェムは策を練る。遠征中のイブラヒムは宿敵の財務長官イスケンデルと一触即発の状態に。その頃、帝都には“赤ひげ”ことフズル船長が到着。大海賊だったこの軍政官をスレイマン皇帝は盛大に迎える。

第3話 激突

出産を間近に控えた元女官長ニギャールは、大宰相イブラヒムの使いクドレットの手引きにより屋敷の牢から逃亡を図る。マニサでは、皇子ムスタファが悪徳高官の処刑を執行していた。一方、遠征中のイブラヒムに皇帝からの下賜品が届く。それは皇帝がモハーチで奇襲を受けた際に身に着けていた甲冑だった。宮殿では、皇帝に越権行為をとがめられた皇帝妃ヒュッレムが、ついに強硬手段に出る。だが、その行為が後宮に大きな波乱を巻き起こす。

第4話 手ごわい女

母后の部屋を求めるヒュッレムと、慣例に従い空室にすると命じたスレイマンは険悪な状態になっていた。その頃、後宮には新たに奴隷となった娘たちが到着。その中にはフズルに連れてこられたフィルゼも含まれていた。後宮に秩序を取り戻すために呼ばれた皇帝の乳母アフィフェは、早速厳しい取り締まりを開始。遠征中のイブラヒムは野営地で詩を詠む兵士と知り合い、マニサにいるムスタファは狩りの最中に若い娘と出会う。

第5話 難敵

皇帝妃ヒュッレムの命令により、幽閉中のニギャールを逃がす計画が実行される。だが、ニギャールの体調に異変が起こり…。一方、皇帝から海軍提督に命じられた元海賊フズルが大宰相イブラヒムの野営地を訪れ、イブラヒムに1枚の婦人画を贈る。宮殿では、新任の後宮出納官アフィフェの主導で、近く遠征へ向かう皇帝のために宴を催す計画が秘密裏に進められていた。だが、その事実を知ったヒュッレムは、アフィフェの部屋へ押しかける。

第6話 見染められた娘

遠征中に野営地で命を狙われたイブラヒムは、自分を救ったタシュルジャルに信頼を寄せるように。暗殺に失敗したイスケンデルは、進軍先を変えさせようと策を巡らす。その頃、ニギャールは難産の末に赤ん坊を出産するが、衝撃の事実を伝えられ…。トプカプ宮殿では新任の後宮出納官アフィフェの主導でスレイマン皇帝のための宴が準備されていた。踊りを披露すべく秘密裏に選ばれた側女たちの中には不思議な魅力を放つフィルーゼもいた。

第7話 運命の導き

大宰相イブラヒムの失脚をもくろむ財務長官イスケンデルは、皇帝に書簡を送り、ペルシャに新王国を建てるという彼の野望を告発する。皇帝妃ヒュッレムは皇帝から紫色の手巾を受けた側女を特定しようと躍起になっていた。一方、マニサで、皇子ムスタファは商人アッバスが村の娘ヘレナたちが作った絨毯を安値で買い取り、搾取していることを知る。野営地ではイブラヒムのもとに敵についての有力な情報が届き、進軍先についての議論が再燃する。

第8話 魔法の手

側女フィルーゼはスレイマン皇帝から紫の手巾を受け取り夜伽を務めた。それが許せないヒュッレムは、誰が召されたのか執拗に探る。ハティジェとマヒデブランはフィルーゼを守るため、ある計略を実行するが…。ヒュッレムが嫉妬の炎に焼かれている頃、息子のジハンギルが体の痛みに苦しみ出す。しかしフィルーゼが触れると不思議と泣きやむのだった。遠征中のイブラヒムは重大な決断に関してワナが仕掛けられていたことに気づく。

第9話 スルタン・イブラヒム

皇子ムスタファが皇帝代理を務めるためにマニサから戻ってくる。遠征の準備が整う中、主馬頭リュステムがヒュッレムに思いがけない贈り物をする。遠征前、皇帝スレイマンは側女フィルーゼとひとときの逢瀬を名残惜しんでいた。一方、ヒュッレムは夜伽を務めた側女がナディアであることを疑わず、皇帝の不在中に排除しようと考える。そんな中、タブリーズを掌握した大宰相イブラヒムが、皇帝を意味する“スルタン”を自称し、大きな波紋を呼ぶ。

第10話 陰謀には陰謀を

ハティジェたちの思惑どおり、スレイマン皇帝の寵愛する娘をナディアだと思い込んだヒュッレムは、嫉妬の炎に焼かれるまま恐ろしい策略を仕掛ける。宿敵イスケンデルの陰謀で苦戦を強いられていたイブラヒムは、陰謀には陰謀で返すべく、ある計画を実行する。ハティジェはイブラヒムから届いた愛の手紙を読んで心の折り合いをつけようとしていたが、後宮に現れた人物を見て目を疑う。その頃、スレイマンの耳にも不穏な情報が入っていた。

第11話 皇帝の恋文

ニギャールの存在が許せないハティジェ皇女は後宮出納官アフィフェに連行を命じるが、皇帝妃ヒュッレムの巧妙な論法に屈し、引き下がらざるを得なくなる。そんな中、宦官長がスレイマンの手紙をヒュッレムに届ける。顔をほころばせるヒュッレムだったが、読み進めるうちに顔色が変わり…。一方、遠征地にスレイマンが到着。大宰相イブラヒムの傲慢な言動を把握していたスレイマンはお目通りを願うイブラヒムを拒絶する。

第12話 宿敵の処刑

スレイマン皇帝の怒りを買ったイブラヒムは、不和の原因を作った宿敵イスケンデルを告発。軍の窮状の責任と横領の罪を問い、裁判に追い込む。イスケンデルを慕うリュステムはイブラヒムへの憎悪を募らせることに。後宮ではヒュッレムが“皇帝の女”を血眼で捜していた。その張本人であるフィルーゼがハティジェ皇女と話しているところを目撃した者がいて…。ヒュッレムは邪魔者を排除しようとニギャールと恐ろしい策略を練る。

第13話 帰還

自分が処刑されることを恐れた女官ギュルシャーは、ニギャールの口車に乗り、愚かな凶行に及ぶ。事件には皇帝妃ヒュッレムの関与が疑われたが、決定打はなくうやむやになるのだった。月日は流れ、皇帝スレイマンと大宰相イブラヒムが東方遠征から帰還する。スレイマンは見違えるほど成長した子供たちとの再会を喜ぶのだった。そんな中、ヒュッレムと側女フィルーゼは、美しく着飾り、それぞれの部屋で夜のお召しを待っていた。

第14話 2人の皇子

成長したメフメトは歩兵常備軍への入隊式を迎える。兄ムスタファは喜ぶが、ヒュッレムとマヒデブランは皇子の母親同士で火花を散らしていた。スレイマン皇帝が遠征から戻ってもお召しがないフィルーゼは恋しさに身を焦がす。ムスタファの子を宿したファトマは幸せにはち切れんばかり。それをうらやましそうに見るニギャールには、イブラヒムとの不義の罰が下る。その頃、マニサでは村の娘ヘレナがムスタファの帰りを待ちわびていた。

第15話 側女の告白

皇女ハティジェは大宰相イブラヒムと言葉を交わすことも拒んでいた。皇帝代理の役目を終えた皇子ムスタファが皇帝妃マヒデブランと共にマニサへ発つ日が近づき、夕食会が開かれる。だが、皇帝スレイマンは出席せず、フィルーゼとの逢瀬を楽しんでいた。扉の外から2人の笑い合う声を聞いた皇帝妃ヒュッレムは嫉妬で体を震わせる。一方、入隊式を終えたメフメトのために夜伽を務める側女の選定が進められ、ある娘に白羽の矢が立つ。

第16話 愛の終わり

スレイマン皇帝の寵愛を受けていることが公になり、フィルーゼは仲間たちから祝福される。しかしヒュッレムから恐ろしいほどの憎しみを向けられ、スレイマンの前で涙する。マニサ宮殿に到着したマヒデブランは、皇太子時代のスレイマンと過ごした愛しい日々を思い出して胸がいっぱいに。イブラヒムはハティジェとの仲を修復しようと昔の手紙を暗唱するが…。ムスタファの思い人ヘレナは、極悪商人アッバスとの婚約に追い込まれていた。

第17話 トルコ石

皇帝の寵愛を奪った側女フィルーゼが許せない皇帝妃ヒュッレムは、ある計略を巡らせていた。大宰相イブラヒムは、リュステムとヒュッレムの結託を恐れ、何とかリュステムを遠ざけようとする。マニサでは遠征から戻ったムスタファと村の娘ヘレナが再会する。帰りを待ちわびていたヘレナはムスタファの無沙汰をなじるのだった。一方、イスタンブールの法官の悪評が皇帝の耳にも入り、召喚して、事実関係を問いただすことになる。

第18話 わだかまり

スレイマン皇帝と愛を交わし、詩を詠み合うフィルーゼ。2人の仲むつまじい様子を盗み見たヒュッレムは、恐ろしい計画を実行に移す。フィルーゼは周囲の制止も聞かずに単身ヒュッレムの部屋に乗り込んでしまい…。ハティジェはイブラヒムに思いの丈をぶつけることに。その頃、ニギャールはヒュッレムとハティジェの間で隠密行動を繰り返していた。イスタンブールの法官を呼び出したスレイマンは、正義を貫く法官の姿勢に感銘を受ける。

第19話 隠された真実

皇子ムスタファは素性を隠して村の娘ヘレナの父親に会う。大宰相イブラヒムはリュステム排除を画策するが思うように事が進まない。そんな中、イブラヒムの部屋にニギャールが現れ、皇女ハティジェに赤子を殺されたと訴える。一方、裁判を傍聴した皇帝スレイマンは、法官エブッスードの手腕を見込んで、あることを依頼する。狩猟の館へ行く準備をしていた皇帝妃ヒュッレムは宦官長から衝撃の事実を聞かされ、がく然とする。

第20話 命を賭した愛

狩猟の館への同行を許されなかったヒュッレムは、息子のジハンギルも行かせようとしない。それを知ったミフリマーフは、ヒュッレムが一緒でなければ自分も行かないとスレイマン皇帝に直訴する。フィルーゼへの憎悪を募らせるヒュッレムは邪悪な秘策を練る。そして、ついにフィルーゼを追い詰め…。その頃、マニサではムスタファの思い人ヘレナが皇子の後宮へ。皇子の正体を知らないヘレナは愛する人を思い、心を痛めていた。

第21話 皇帝の憂い

フィルーゼを恫喝して心を晴らしたヒュッレム。だが、あくまでもフィルーゼを守ろうとする後宮出納官アフィフェの態度に業を煮やす。一方、大宰相イブラヒムはフランス王の大使と面会。宮殿へ戻った皇帝は法官エブッスードから現行法の問題点について意見を聞く。その頃、ヒュッレムは、またもやハティジェ皇女とイブラヒムに狡猾なワナを仕掛けていた。皇帝は部屋に籠もりきりのフィルーゼを訪ね、首に残っていた赤いアザを見て驚く。

第22話 新たな手札

神聖な木曜の夜にご寝所に向かったヒュッレムだが、スレイマン皇帝に門前払いされてショックを受ける。スンビュルはハティジェの家で見かけた産婆を尾行。着いた先には小さな女の子がいた。スレイマンは法改正に本格的に着手。一方、ヒュッレムは宗教寄進を行おうと考える。ニギャールの結婚相手が決まり、後宮における情勢がめまぐるしく移りゆく中、ヒュッレムは卑劣な権謀術数を巡らし、イブラヒムに揺さぶりをかけようとする。

第23話 運命(カデル)

スレイマン皇帝は皇子ジハンギルを寝所に呼び、フィルーゼに会わせる。大宰相イブラヒムは夜中に赤子の墓を掘り返し、死産の真偽を確かめようとする。ヒュッレムは宗教寄進(ワクフ)の計画を進めるため、高官夫人らとの食事会を企画。後宮出納官アフィフェらに準備を指示する。マニサでは、皇子ムスタファが家族を恋しがる側女ヘレナを実家へ連れていく。リュステムとの結婚式を控え、寝つけないニギャールの前に思いがけない人物が現れる。

第24話 密約

スレイマン皇帝の命令で法改正の討議が始まるも、反対派も多く会議は紛糾。そんな中、イブラヒムはフランスとの同盟問題にも積極的に取り組んでいた。ヒュッレムは高官の妻たちを招き、慈善活動への協力を求める。後宮での地位は盤石と見られているが、スレイマンに寵愛されるフィルーゼが邪魔で仕方ない。ヒュッレムはイブラヒムの弱みにつけ込んでフィルーゼを永遠に排除しようと画策。そして大宰相邸に呼ばれたフィルーゼは…。

第25話 法と秩序

大宰相イブラヒムは皇帝妃ヒュッレムに側女フィルーゼを後宮から追放したことを報告。イブラヒムは、密約どおり、ニギャールの子を渡すよう要求するが、ヒュッレムが子供をハティジェ皇女の屋敷に送ったことで、修復しつつあった夫婦の関係に再びヒビが入る。一方、スレイマン皇帝は、初孫誕生の吉報を受け、ヒュッレムらとマニサを訪問することに。道中、皇帝は、同行した皇子メフメトに帝座を巡る兄弟殺しの法令の話をする。

第26話 狙われた王女

皇子ムスタファに息子が誕生し、スレイマン皇帝とヒュッレム一行はマニサに向かう。ムスタファとマヒデブランの待つ宮殿では赤子の命名式が行われ、スレイマンが与えた名前にどよめきが起きる。昔を思い出し、楽しく過ごしていたスレイマンだが、市場である事件が起きて…。ヒュッレムは言葉巧みにマヒデブランとムスタファの危険性をスレイマンに吹き込む。その頃、帝都ではイブラヒムがフランス大使を前に衝撃的な発言をしていた

第27話 尽きぬ野望

スレイマン皇帝はマニサで過ごした若き日々に思いを馳せ、皇子ムスタファとメフメトにかつてイブラヒムと大樹の下で夢を語り合った思い出を話して聞かせる。一方、帝都では大宰相イブラヒムが皇帝のような尊大な態度でフランス大使と協定の話を進めていた。再び、マニサの森では、ムスタファとメフメトが兄弟殺しの法令の話をしていると突然、1本の弓矢が降ってくる。ニギャールはマトラークチュの訪問を受け、ある屋敷に案内される。

第28話 父と子

ヒュッレムは、息子メフメトを襲わせたのはマヒデブランだと信じて疑わない。スレイマン皇帝もムスタファに疑惑の目を向けていた。無実を証明したいムスタファだが、首謀者はなかなか捕まらず、焦りが募る一方だった。事件の発端となった女人問題について、スレイマンは態度を硬化。結婚は許さないと断言する。帝都ではイブラヒムが娘に新たな名前を与えていた。娘と一緒に暮らしたいニギャールはイブラヒムに直談判するが…。

第29話 フィルーゼの秘密

皇帝妃ヒュッレムは主馬頭リュステムを呼び出し、側女フィルーゼがいまだ健在でいる理由を問いただす。リュステムは、フィルーゼには秘密があり、危険を冒さなくても追い出せると答えた。一方、皇帝に謁見を許されたフランス大使は両国でのイタリア遠征を提案する。そんな中、ヒュッレムがフィルーゼを投獄し、その理由を聞いたスレイマンはがく然とするのだった。その後、スレイマンの前に引き出されたフィルーゼは涙ながらに釈明をする。

第30話 結婚か追放か

敵国の王女だと判明したフィルーゼの処遇について、スレイマン皇帝は考えを巡らせていた。元々イスラム教徒だった者を後宮に置く唯一の方法は結婚のみ。それを知るヒュッレムは毒を片手にスレイマンの決断を待つ。その頃、マニサも結婚問題に揺れていた。ムスタファがヘレナとの結婚を決めるが、それはスレイマンとの仲にヒビが入る選択でもあった。マヒデブランは何とか息子を思いとどまらせようとイブラヒムに手紙を書く。

第31話 密会

フィルーゼが追放になり喜ぶヒュッレムだったが、スレイマン皇帝のよそよそしい態度に傷つく。一方、アマスヤの館へ向かうフィルーゼの馬車が何者かの襲撃を受ける。ヒュッレムは法官エブッスードに会い、宗教寄進について助言を得る。皇女ミフリマーフは詩人タシュルジャルとのひとときの逢瀬に心をときめかせるが、その様子をヒュッレムが見ていた。大宰相イブラヒムはイタリア遠征の準備のために皇帝にエディルネ行きの許可を申し出る。

第32話 血の宣告

イブラヒムがエディルネと偽ってブルサに行ったことを知ったスレイマン皇帝は、帝都に戻ったイブラヒムを問いただす。イブラヒムはムスタファの結婚問題を解決するためだったと説明するが、ヒュッレムは反乱の準備だと言葉巧みにスレイマンに吹き込む。ムスタファはヘレナとの関係に決着をつけるべく決断。ミフリマーフはタシュルジャルへの切ない思いを抱えていた。ニギャールは娘をつれて逃げるも、背後には追っ手が迫っていた。

第33話 宿命の対決

逃亡を続けるニギャールは、娘エスマヌルを連れ、故郷スリナを目指して船に乗り込む。宮殿ではスレイマン皇帝とヒュッレム、その子供たちが集い、夕食会が開かれることに。だが、恋に悩む皇女ミフリマーフは、食事もノドに通らず、体調不良を理由に部屋へ下がってしまう。ヒュッレムの権力がさらに強大になることを恐れた皇女ハティジェとイブラヒムは、ヒュッレムを帝都から遠ざけようと画策する。そんな中、スレイマンの体に異変が…。

第34話 首のない影

スレイマン皇帝が突然倒れ、宮殿が悲しみに包まれる中、ヒュッレムはイブラヒムやハティジェ皇女への憎悪を膨らませていた。イブラヒムは名医でもあるスレイマンの乳兄弟ヤフヤを急いで呼びに行く。ヒュッレムは献身的に祈りをささげる一方、病床のスレイマンに反逆者は近くにいると盛んに吹き込んでいた。その頃、マニサにいるムスタファの夢にイブラヒムが現れて皇帝の不調を告げる。壁に映るイブラヒムの影には首がなかった。

第35話 間諜

マニサ宮殿に行商人の女がやってくる。側女たちは珍しい品を見て喜ぶが、女官フィダンは女の不審な行動に違和感を持つ。一方、帝都では法官エブッスードの息子アフメトが殺人未遂事件を起こして投獄される。皇帝はお忍びで乳兄弟ヤフヤに会い、自身が見た夢を占ってもらう。大宰相イブラヒムは長年、献身的に仕えてきた皇帝から毒を盛った犯人として疑われていることにやるせない思いを抱く。そんな中、イブラヒムはヒュッレムからの手紙を受け取る。

第36話 底なし沼

ヒュッレムから和解したいと呼び出されたイブラヒム。約束の場所に向かい、ヒュッレムと話をするが、2人の意見は平行線をたどる。スンビュルや夫のリュステムの様子からヒュッレムが何かたくらんでいると気づいたニギャールは、イブラヒムに注意を促すが…。マニサではヒュッレムの送り込んだ間諜捜しが続いていた。ディアナが疑われるも、怪しい人物がもう1人。ハティジェはヒュッレムに対抗すべく、新たな助っ人を呼び寄せることに。

第37話 狙われた皇子

フランス大使ラ・フォレはオスマン帝国との協議の進捗状況を報告すべく本国宛ての書簡を従者に書かせていた。その中で大使は、傍聴した帝国の裁判に言及し、帝国がいかにすぐれた法体系を実現しているかを伝える。宮殿では、皇子メフメトが宮殿から姿を消すという騒動が起きる。皇帝妃ヒュッレムはメフメトの命を心配してひどく取り乱すのだった。一方、マニサでは、投獄されたディアナの処刑が明日に迫る中、皇子ムスタファの命が狙われる。

第38話 断食月の悪行

新月が確認され、ついに断食月が始まる。この期間は善行を行うのがよしとされるため、ヒュッレムも宗教寄進を熱心に行っていた。そんな中、ムスタファ暗殺のためマニサに送り込んだ間諜と思わぬ所で顔を合わせることに。動揺するヒュッレムをよそに、イブラヒムはヒュッレムを倒すべくスレイマンの前で勝負に出る。その頃、ミフリマーフは思い人タシュルジャルとひそかに再会。聖なる断食月に様々な思いが交差していた。

第39話 コーランの贈り物

マニサ宮殿で皇子ムスタファの息子スレイマンが発熱する。幼いスレイマンは恐ろしい病に感染していた。帝都イスタンブールでは、皇帝妃ヒュッレムとリュステムがイブラヒム失脚をもくろみ新たなワナを仕掛ける。皇帝スレイマンは御前会議で断食月に市場で売買される食料の売買が公正に行われるよう、指示を出す。ハティジェ皇女の姉シャー皇女が間もなく宮殿に到着することを知ったヒュッレムはスンビュルにシャー皇女の人となりを聞く。

第40話 大宰相の未来

ハティジェはヒュッレムに対抗するため姉のシャー皇女を招くが、シャーは期待をよそに宮殿でヒュッレムと過ごしていた。スレイマン皇帝は海の上でイブラヒムとマニサ時代を懐かしく語りつつ、どのように死にたいか聞く。断食月の特別礼拝後、イブラヒムに対して民衆から罵声が飛ぶ。実はイブラヒムの悪評が広まるよう、ヒュッレムが操っていた。ヒュッレムは同時にスレイマンの耳にもイブラヒムは反逆者だと事あるごとに吹き込む。

第41話 正義の判決

夫リュステムの地方赴任に同行するニギャールは、愛娘エスマヌルとの別れを惜しみ、いつか必ず戻ってくると娘に誓う。皇女ハティジェとシャーは皇帝妃ヒュッレムと夕食を囲むが、ハティジェは夫である大宰相イブラヒムの裁判のことで、いら立っていた。やがて法廷でイブラヒムに暴言を吐いた商人とイブラヒムの裁判が始まる。マニサでは皆が皇子ムスタファの息子の死を悼み、悲しみに沈む中、一筋の光となる知らせがもたらされる。

第42話 決断の時

スレイマン皇帝はフランスとの交渉記録を読み、イブラヒムの数々の傲慢な発言に衝撃を受ける。1人で考え続けていたスレイマンだったが、雪がちらつく夜、法官エブッスードのもとを訪れて決断を下したと語る。一方、ヒュッレムは断食月の善行にシャーを誘う。一見、ヒュッレムと親しくしている様子のシャーだったが…。皇子メフメトは子供を身ごもった側女に関して、ミフリマーフが命の決断に関わる大きなウソをついていたと知る。

第43話 法官の答え

大宰相イブラヒムは皇帝妃ヒュッレムと懇意にする皇女シャーの目的を問うがはぐらかされる。イブラヒムとシャーが話しているのを見かけた皇帝妃ヒュッレムは2人の過去の関係を宦官長スンビュルに問う。一方、シャーの夫であり軍政官のルトフィーと娘エスマハンが宮殿に到着する。スレイマン皇帝はイブラヒムとの思い出に思いを馳せていた。そんな中、法官エブッスードが皇帝のもとへ参上し、皇帝を悩ませている問題に関して、重要な話をする。

第44話 同志イブラヒム

イブラヒムはハティジェ皇女や子供たちと幸せな時間を過ごしていた。家族でエディルネに行くことを約束した日、スレイマン皇帝から日没後の食事に招かれて喜んで出かける。その食事にはヒュッレムも呼ばれていた。食事後、家に帰るイブラヒムを引き止めたスレイマンは、以前のように宮殿に泊まるよう勧める。スレイマンのイブラヒムへの寵愛はヒュッレムさえ疑っていなかった。その頃、スレイマンは1人、眠れぬ夜を過ごしていた。

第45話 大いなる喪失

皇女ハティジェは、棺に納められたイブラヒムの変わり果てた姿を見て、激しく取り乱す。棺のそばには無念の表情を浮かべる宮廷史家マトラークチュがいた。官僚たちもまた、大きな衝撃をもって、偉大な大宰相の突然の悲報を受け止める。一方、険しい表情のスレイマン皇帝は御前会議を招集。毅然とした態度で新たな人事を発表し、新体制を整える。大きな障害を取り除くことに成功した皇帝妃ヒュッレムは、次なる目標に狙いを定める。

第46話 炎の衣

宮殿では、イブラヒム亡き後の権力争いが始まっていた。ヒュッレムはリュステムを御前会議に送り込もうと新大宰相のアヤスに念押しするも、シャーも夫のルトフィーを選ぶようスレイマン皇帝に働きかけていた。そんな中、皇子ムスタファとマヒデブランが帝都に戻り、悲しみに暮れるハティジェに寄り添う。断食月が終わり、祝いの行事が行われるが、ヒュッレムやシャー以外の顔は暗い。様々な思惑が飛び交う中、ついに新宰相が発表される。

第47話 ハゲワシの争い

皇女ハティジェは、庭で彫像を壊す音を聞き、阻止するために屋敷を飛び出す。彫像の破壊は皇帝スレイマンの命令だった。一方、懐かしい者が帝都に向かって馬を走らせていた。ヒュッレムは、リュステムでなくシャー皇女の夫ルトフィーが宰相に任じられたことを知る。怒り心頭のヒュッレムはシャーもハティジェ側についたと思い、喪中でありながら不謹慎な命令を下す。ハティジェたちもヒュッレムに一矢報いるために動き出していた。

第48話 報復の誓い

ヒュッレムが喪中にもかかわらず宴を開いていると知ったハティジェは、後宮へ。宴をやめるよう一喝するが、そこにヒュッレムとの言い合いを聞いていたスレイマン皇帝が現れて…。ヒュッレムはリュステムを御前会議に送り込むべく、再びアヤスに命令。アヤスは皇子ムスタファの前でヒュッレムへの忠誠を見せる行動をする。ムスタファには、シャー皇女と夫のルトフィーが味方だと宣言。イブラヒム急逝の余波は今も続いていた。

第49話 暗殺命令

皇女ハティジェの刺客ディアナは女官ファーリエとして後宮に溶け込んでいた。
一方で、皇女シャーの計略も動き始める。リュステムを呼び出したシャーは、これまでの所業を知っていると脅す。シャーの手先となったニギャールは皇帝妃ヒュッレムに会い、あることを吹き込む。ハティジェの屋敷では皆が集まり、イブラヒムを追悼する祈りがささげられていた。だが、その頃、人が出払い警備が手薄になった後宮で驚愕の事件が起こる。

第50話 イチジクの木

ハティジェに刺客として送り込まれたファーリエはヒュッレムに気に入られ、身近で仕えることになる。スレイマンはヒュッレム襲撃事件の裏にハティジェがいると考え、ある決定を下す。それを聞いたハティジェは激しく抵抗。シャーはヒュッレムへの報復は持久戦だとハティジェを説得するが…。オスマン帝国各地ではイタリア遠征の準備が着々と進行。その頃、ローマ法王が放った刺客もイスタンブールでスレイマン暗殺の機会をうかがっていた。

第51話 イタリア遠征

法官エブッスードの市場の視察中に、お忍びのスレイマン皇帝が現れる。側近が宮殿から出してくれないとボヤく皇帝の背後から魔の手が迫っていた。一方、宮殿ではシャー皇女がヒュッレムの用意した住まいではなく、妹ハティジェの屋敷に移ると言い出す。シャー皇女とヒュッレムの確執は見えないところでくすぶり続けていた。そんな中、いよいよオスマン軍が遠征に出発する。皇帝が不在の中、ヒュッレムのもとに不穏な情報が寄せられる。

第52話 試練

皇子ムスタファの反乱を聞いたヒュッレムは対策を考える。悪いことは重なり、遠征中のスレイマン皇帝が奇襲を受けたとの報告も入った。ムスタファが玉座に就けばヒュッレムの息子たちは慣習に従い殺される。シャーが保護を申し出る一方、ニギャールは禁じ手とも言える別の方法を提案。危険が迫り来る中、ヒュッレムはある決断を下す。オスマン帝国軍の野営地ではリュステムがイブラヒムを侮辱し、マトラークチュと一触即発になっていた。

第53話 姉妹の確執

皇子ムスタファの反乱はすべて皇女シャーの狂言だった。ヒュッレムは無事に幼い皇子たちとの再会を果たす。究極の状況に置かれながら、皇子バヤジトを皇帝に擁立しなかったヒュッレムは皇帝スレイマンにささげる愛と忠誠が身を救ったのだとスンビュルに語る。一方、遠征中のスレイマンは海軍提督の報告からベネチアの裏切りを知り、アヤス大宰相の見通しの甘さに激怒する。マニサでは、ある手紙を受け取った皇女ハティジェが血相を変えて帝都へ戻る。

第54話 持久戦

イブラヒムの遺品の中に入っていた手紙は、シャーからイブラヒムに宛てた恋文だった。怒り心頭のハティジェは、姉に自分の屋敷からの退去を求める。その頃、イタリア遠征中のオスマン軍はコルフ島の包囲に苦戦。ベネチアの参戦もあり、持久戦の様相を呈していた。シャーはヒュッレムに仕える側女を尋問し、恋文の真実を聞き出す。一方、遠征に行けずマニサで待機となったムスタファは、外国商人の間に不満が高まっていることを知る。

第55話 消えぬ地獄

マニサ宮殿の皇帝妃マヒデブランのもとにジェノバの女貿易商ガブリエラが訪ねてくる。ガブリエラは自身の所有する商船が不当な扱いを受けていると訴え、皇子ムスタファが調査に乗り出す。トプカプ宮殿では、皇女ハティジェがマニサからいわくありげな女官を呼びよせていた。イタリア遠征中の皇帝スレイマンはコルフ島で苦戦を強いられていた。悪天候にも悩まされたスレイマンは、苦渋の決断を下す。一方、宮殿では新たな計略が動き出していた。

第56話 呪術

ミフリマーフがマルコチョールと離宮で密会していると聞いたヒュッレムは、急いで現場に向かう。しかし、そこで待っていたのは別の人物だった。その頃、スレイマン皇帝は乳兄弟のもとでイブラヒムを殺した苦しみを吐露。しかし、良心の痛みは一生消えないと言われて衝撃を受ける。離宮に行って以来、体調を崩したヒュッレムは、死を感じて不安になる。シャーはハティジェが秘密裏に動いているのではと疑い、ニギャールを呼び出す。

第57話 業火

ニギャールから呪術の話を聞いたヒュッレムは占星学者に会う。皇帝スレイマンに謁見した軍法官エブッスードは法官になるための任用制度を整えるべきだと進言。リュステムは皇帝にイブラヒムの資産が一部しか国庫に没収されていないことを報告し、皇帝を驚かせる。ベネチア領事が帝国への裏切り行為を釈明するために参内するが、スレイマンの怒りは収まらない。マニサでは、皇子ムスタファが貿易商ガブリエラの問題解決に取り組んでいた。

第58話 暗黒の死闘

呪術をかけられたと信じ込んだヒュッレムは悪夢に悩まされ、ついに夜分にハティジェの部屋に乗り込む。その乱心ぶりは後宮中のウワサとなり…。一方、元大宰相邸には衛兵が押し寄せ、イブラヒムの資産を捜索。規定に従って没収するというスレイマン皇帝だが、処刑の際は規定に沿わなかったとハティジェに責められ、顔を見せるなと言い放つ。そのあと、ハティジェが行方不明になり後宮は騒然。スレイマンも衝撃を受ける。

第59話 皇女の行方

皇女ハティジェが宮殿から忽然と姿を消し、スレイマン皇帝は捜索を命じる。皇女シャーと皇帝妃ギュルフェムもハティジェの無事を祈っていた。するとそこへヒュッレムがやってくる。ハティジェ失踪の裏にヒュッレムの関与があると疑うシャーはヒュッレムを厳しい言葉で問い詰めるのだった。マニサでは貿易商ガブリエラが皇子ムスタファのもとを訪れ、船を燃やされたと訴える。皇帝妃マヒデブランは頻繁に皇子のもとを訪れるガブリエラが気になっていた。

第60話 一石三鳥

ヒュッレムに殴打されて重傷を負ったハティジェは、マルコチョールを呼び出して警戒を促す。呪術をかけられたと悩み、不眠が続いていたヒュッレムは、またしても黒い影に苦しめられたことから、自分たちの中に裏切り者がいるのではないかと考えるように。ミフリマーフはマルコチョールにつれない態度を取っていたが、ふとしたことから手紙の誤解が解けて歓喜。シャーとハティジェは虚偽の証言をした内廷宦官長を問い詰める。

第61話 内廷宦官長

皇女ミフリマーフが受け取った近侍マルコチョールの手紙の返事には、謎の代筆者がいた。ミフリマーフは、その者の正体が気になり、マルコチョールの部屋を訪れる。一方、帝都に、地方を治めている忠臣が反乱を企てているという知らせが届く。皇帝スレイマンは大宰相アヤスに告発の真偽を調査させる。そんな中、後宮にも一大事件が起こり…。街では、亡きイブラヒムの遺品が軍法官エブッスードの立ち会いのもと、競売にかけられることになる。

第62話 イブラヒムの遺産

シャー皇女の腹心メルジャンが内廷宦官長になったことから、宮廷の動きは皇女たちが把握できるように。劣勢に立ったヒュッレムはイブラヒムの資産を何としても見つけ出し、皇女たちとルトフィーを一気に葬るべく、リュステムを使って策略を仕掛ける。危険を察知したハティジェは対策を取るが、そこにリュステムが現れて…。一方、マニサではムスタファがガブリエラに貿易上の特権を与え、それが新たな問題を引き起こしていた。

第63話 皇子の出陣

マニサにいる皇子ムスタファに反乱者ピリー討伐の勅令が下る。スレイマン皇帝がムスタファに重大任務を任せたと知った皇帝妃ヒュッレムは、心穏やかではいられず、リュステムを呼んである計略を巡らせる。一方、度重なる皇女ハティジェの暴走に業を煮やしたスレイマンは、ハティジェを立ち直らせるため荒療治ともいえる大胆な決断をする。戦果を報告するため御前に参上した海軍提督フズルはスレイマンから思わぬことで咎められる。

第64話 狡猾なワナ

反乱を企てているとされるラマザンオール・ピリーの処刑をスレイマン皇帝から命じられたムスタファは、関係者の言い分を聞くことから始めていた。ヒュッレムに送り込まれたリュステムは、言葉巧みにムスタファを陥れようとする。その頃、帝都ではリュステムの広めたウワサが後宮をにぎわしていた。ウワサに巻き込まれたマルコチョールは難しい立場に置かれることに。ハティジェを結婚させる決断をしたスレイマン皇帝は、その相手を選ぶ。

第65話 皇子の召喚

皇女ミフリマーフとの会合の場を皇帝妃ヒュッレムに目撃された近侍マルコチョールは忠誠を誓う皇帝スレイマンに誤解を与えかねないことを懸念する。一方、スレイマンは、反乱者ラマザンオール・ピリーの討伐へ向かった皇子ムスタファから何の音沙汰もないことに気をもんでいた。そんな中、ムスタファの背信行為を知らせる書簡が帝都に届く。絶対的な忠誠心を求めるスレイマンは激怒し、ヒュッレムはムスタファの背信行為を朗報だと喜ぶ。

第66話 悩める者

ムスタファは勅命に従わなかった理由を説明。激高していたスレイマン皇帝も冷静さを取り戻す。しかし、公正であれとのスレイマンの教えを貫いたムスタファだが、期待を裏切られる命令を下され、スレイマンのようであろうとするほど罰されると悩む。シャーの娘エスマハンとミフリマーフの間で翻弄されるマルコチョールは、本心を明かすことに。その頃、バチカンではカール5世とフランソワ1世が和解。インドでも争いが勃発していた。

第67話 モルダヴィア遠征

モルダヴィア遠征への同行を許されなかった皇子バヤジトは、禁じ手を使って戦地へ向かう。一方、バチカンでは、カール5世がオスマン軍を迎え撃ち帝都を攻略する戦略を力説。フランソワ1世は本国で議論すると態度を保留する。女市場にモスク複合施設の造営を目指すヒュッレムは、軍法官エブッスードから地上げに反対する者がいることを聞く。近侍マルコチョールを巡って浴場で言い争いになったミフリマーフとエスマハンに思わぬ出来事が起こる。

第68話 秘策

後宮では、給金が滞っていることから側女たちの不満がたまっていた。ヒュッレムは対策を取ろうとするが、遠征中のため資金を調達できない。緊張が高まり、もはや一触即発の雰囲気に。一方、モルダヴィアに遠征中のスレイマン皇帝一行は、プルト川の前で足止めされていた。水流が速く地盤が緩いため、何度かけても橋が崩落してしまう。対岸に渡る方法をスレイマンに尋ねられたマトラークチュは、イブラヒムが見いだしたある男の名前を出す。

第69話 黒幕

マニサでは、側女ルメイサが、貿易商の実姉ガブリエラから後宮を出て自由に暮らそうと迫られる。だが、ルメイサの決断は意外なものだった。後宮では、側女たちに未払いの給金を支払うため、帝妃ヒュッレムが金策に走る。一方、モルダヴィア遠征では、将校シナンが進軍を阻んでいたプルト川に橋を完成させる。地中海のプレヴェザでは、赤ひげことバルバロス率いるオスマン帝国海軍と十字軍艦隊による海戦の戦端が開かれようとしていた。

第70話 プレヴェザの海戦

オスマン軍のモルダヴィア遠征は成功裏に終わり、スレイマン皇帝は新たな領主を任命。貢納や治安維持の方法を細かく取り決める。その頃、プレヴェザではフズル提督率いるオスマン海軍が、ドリア率いる十字軍艦隊と激突していた。マニサでは海賊対策としてムスタファが造船所の再稼働を指示し、スレイマンに書簡で許可を求める。ヒュッレムは資金を工面し、たまった給金を側女たちに払うが、後宮ではまた新たな問題が起きて…。

第71話 完璧な計画

皇帝妃ヒュッレムは、所有する農場に買い手がつき、借金返済のめどが立ったことに安堵していた。だが、シャー皇女に先手を打たれていたことが発覚。借用証書はシャー皇女の手に渡ってしまう。一方、遠征から凱旋中のオスマン軍がエディルネへ到着。スレイマン皇帝に不都合な借金の発覚を恐れたヒュッレムは、シャー皇女に禁じ手を使い、借用証書を奪い返そうとする。だが、その暴挙によってヒュッレムはさらなる苦境へと追い込まれてしまう。

第72話 天国と地獄

エディルネに呼ばれたヒュッレムは、不安な気持ちを抱えてスレイマン皇帝の前へ。皇帝の手にあったのはヒュッレムがベネチア元首の一族から借金をした証書だった。ヒュッレムはシャーのワナだと巧みに言葉を重ねるが…。その頃、マニサではまたもや海賊がオスマン帝国の商船を襲う事件が発生。一刻を争う事態のため、ムスタファはスレイマン皇帝からの返事を待たずに問題を解決しようとする。そのことがマヒデブランを不安にし…。

第73話 形だけの結婚

皇帝妃ヒュッレムがエディルネ宮殿へ追放され、5人の子供たちは突然の事態に困惑していた。皇女ハティジェは、姉シャーの言葉巧みな説得で覚悟を決め、宰相ヒュスレヴとの婚儀に臨む。リュステムは皇帝に皇子ムスタファが独断で造船所を再建していると告発。驚いた皇帝は海軍提督に問いただす。皇女シャーは、リュステムを配下に加えるべく、ある取引を持ちかける。皇帝は宰相チョバンの容体の件で侍医を呼び出すが、別件で思わぬ報告を受ける。

第74話 皇帝家の婿

エディルネに追放されたヒュッレムの元に、意外な人物が現れる。ヒュッレムは言葉巧みに持論を展開するが…。シャーにヒュッレム暗殺を命じられたリュステムもエディルネに到着。リュステムはヒュッレムの命を取るか、何年も前より抱えていた大きな野望をかなえるか、考えを巡らしていた。そんな中、ミフリマーフもマルコチョールの助けを借りてスレイマン皇帝を説得し、ジハンギルと共にエディルネの母の元に向かっていた。

第75話 皇女の嘆き

トプカプ宮殿ではスレイマン皇帝がメフメトら皇子たちと夕食を囲んでいた。だが、ヒュッレムの話が出るとスレイマンは不機嫌になり部屋を出て行ってしまう。マニサでは、海賊退治に本腰を入れる皇子ムスタファが自ら海賊との人質の交渉に向かうと言い出す。エディルネではヒュッレムがミフリマーフに将来に関わる重要な話を切り出していた。そんな中、再婚後も新居へ移らず、イブラヒムとの思い出の館で暮らす皇女ハティジェのもとにスレイマンが訪れる。

第76話 黒死病

ヒュッレムが追放されているエディルネ宮殿で黒死病の感染者が発生。スレイマン皇帝は安全のためにブルサ宮殿に移そうとするが、ヒュッレムは応じない。業を煮やしたスレイマンはエディルネに赴いて理由を問いただす。その頃、マニサではムスタファが海賊の船に乗り込んで人質を救出。民は喝采するが、マヒデブランの不安は募るばかりだった。マニサを訪れたフズル海軍提督は、造船所に関わるスレイマンの決定をムスタファに伝える。

第77話 母の約束

海軍提督フズルは、皇子ムスタファが造船所の再建にあたり、事前に皇帝へ書簡を送っていたことを明らかにする。だが、書簡は届いておらず、事態を重く見た皇帝は使者への尋問を命じる。ヒュッレムは、リュステムとの結婚を拒むミフリマーフの説得を試みていた。一方、帝国を裏切ったベネチア共和国の大使が和平を求めて大宰相ルトフィーのもとへ面会に訪れる。その後、近侍マルコチョールは大使からおもてなしの招待を受け、公邸へ赴く。

第78話 亀裂

ブルサでムスタファと会うことにしたスレイマン皇帝に、ヒュッレムは言葉巧みにムスタファへの悪意を植えつける。ムスタファの行いは傲慢さから来るものと思い込んだスレイマンは、ムスタファの話をろくに聞かずにメフメトに狩りを指南。それを見たムスタファは父との間の亀裂が大きいことを知る。ハティジェはイブラヒムと過ごした家を追い出されるようにして新居へ。ヒュッレムはシャーの侍女にルトフィーを誘惑させようとする。

第79話 傷心の決断

ブルサでスレイマン皇帝から冷遇を受けた皇子ムスタファが傷心のままマニサへ。皇帝妃マヒデブランは打ちひしがれた様子の息子を見かね、言葉を尽くして元気づけるのだった。一方、マルコチョールをあきらめきれない皇女ミフリマーフにしびれを切らした皇帝妃ヒュッレムは、あえて娘の心を傷つけることで、未練を断ち切らせようと考える。そんな中、追放したはずの神秘主義者マシュキが帝都へ舞い戻ったことが分かり、スレイマン皇帝は連行を命じる。

第80話 ウワサの真偽

ミフリマーフとリュステムの結婚を阻止すべく、シャーたちはあるウワサを流し、縁談を壊そうと考える。ヒュッレムに雇われたシャーの侍女は、ルトフィーを誘惑できないまま旧宮殿に追放されるが、ヒュッレムはルトフィーと侍女が不適切な関係にあるとシャーに吹き込む。その頃、マルコチョールもベネチア大使の姪との関係で苦境に立たされていた。法廷では聖者アリの息子マシュキの裁判が行われ、傍聴席にはスレイマン皇帝の姿もあった。

第81話 小さな証明者

ルトフィー大宰相の浮気を疑うシャー皇女は、いつになく動揺し、ルトフィーを激しくののしる。一方、皇帝からリュステムの健康状態を調べるよう命令を受けた侍医モシェがディヤルバクルに到着。助手の立ち会いのもと、リュステムを診察する。リュステムと離婚したニギャールは、宮廷史家マトラークチュを訪ね、生き別れた娘の行方を聞く。街では、触れ役によって皇子たちの割礼式とミフリマーフ皇女の婚儀が執り行われることが伝えられていた。

第82話 ミフリマーフの結婚

婚儀の日を迎えてもミフリマーフの気持ちは晴れない。エスマハンの前では強がってマルコチョールを忘れたと言うが、余計に傷ついてしまう。そんなミフリマーフにアフィフェが語りかけ、ついに式が始まる。誕生時、皇子でないことを母のヒュッレムに嘆かれた彼女は、今、皇子の将来のために必要とされていた。婚儀と同じ日、バヤジトとジハンギルの割礼式も行われる。街が祝宴でにぎわう中、ミフリマーフは自分の人生を振り返っていた。

第83話 皇子の赴任

ハンガリー王妃から帝国に助けを求める書簡が届く。スレイマン皇帝はハンガリーの政情不安を抑えるため、ひそかに遠征の準備をするよう命じる。一方、ミフリマーフの屋敷では、生まれたばかりの娘のために新たな乳母が雇われる。大宰相ルトフィーは皇帝にメフメト皇子らの県への赴任を進言する。だが、皇帝妃ヒュッレムは母として皇子の赴任に同行し、帝都から排除されることに懸念を抱いていた。そんな中、数年前に帝都から姿を消した女が再び現れる。

第84話 ニギャールの運命

ミフリマーフとリュステムの娘がいなくなった。部屋にあった遺留品から犯人が判明。帝都中に徹底した捜査網が敷かれる。シャーとハティジェの命令だと信じて疑わないヒュッレムは、大宰相邸に乗り込んで、必ず真相を暴くと宣言する。一方、ヒュッレムの息子たちの地方赴任の準備も進んでいた。皇帝から離れて力を失うことを恐れるヒュッレムは、帝都に最も近い重要な県であるマニサからムスタファを追い出そうともくろむ。

第85話 罪深き怒り

宮殿から戻ったリュステムはミフリマーフと語らい、自分はミフリマーフのおかげで生かされているのだと話す。風紀の取り締まりに力を入れていた大宰相ルトフィーは、捕らえた売春婦から性的に不能だとののしられ、激高。怒りに任せた行動を取ってしまう。リュステムは、狡猾な策を使って、皇子ムスタファを追い込もうとしていた。一方、森の中を散策する皇帝スレイマンと皇子たちの前に修道僧が現れ、スレイマンに奏上したいことがあると言う。

第86話 楽園からの追放

リュステムの仕組んだ修行僧の予言を気にするスレイマンは、ムスタファがヒュッレムとその子供たちを皆殺しにした夢を見てうなされる。そしてムスタファを帝都に召喚し、彼の将来に関する重大な決断を伝える。一方、ヒュッレムの皇子たちはブダ遠征への帯同や県への赴任が決定。ムスタファは、かつての大宰相邸の庭に立ち、ヒュッレムに玉座と国を支配されてもよいのかと忠告した亡きイブラヒムの言葉を思い出していた。

第87話 後継者の母

皇子たちの県への赴任が決まり、皇帝妃ヒュッレムは後宮でお祝いのお菓子を振る舞う。それは、腹違いの第1皇子ムスタファを東の国境の県へ追いやり、自身の長子メフメトが玉座に近いマニサへの赴任が決まったことへの勝利宣言でもあった。ムスタファを支持する者たちはそれぞれが憤まんやるかたない思いを抱え、この世の理不尽にイラだっていた。そんな中、皇帝スレイマンがブダ遠征へ出発。だが、ほどなくして帝都へ一大事の知らせが届く。

第88話 消えた皇帝妃

コンヤのセリムから書簡が届いた。大病のセリムを見舞うためにヒュッレムが訪れたはずだったが、書簡には異なることが書かれていた。ミフリマーフはヒュッレムへのワナと考え、兄のムスタファや叔母のシャーやハティジェに詰め寄る。そんな中、スレイマン皇帝がブダ遠征から帰還。第一報を聞いたスレイマンはひどく取り乱し…。悲嘆に暮れるスレイマンは、血統の者に用心しろと告げた修道僧のことを暗い気持ちで思い出していた。

第89話 失踪の謎

皇帝妃ヒュッレムが消息を絶った。近侍マルコチョールは、皇帝の命を受けて皇子ムスタファやマヒデブラン妃、シャー皇女らを尋問に招致する。一方、皇帝スレイマンはヒュッレムの自室で無事を祈りながら夜を明かす。末の息子ジハンギルは、そんなスレイマンにヒュッレムと夢の中で会話をしたと言うのだった。だが、ある日、ヒュッレムに随行した従者の1人が宮殿へ戻り、そのまま倒れ込む。従者が語ったヒュッレム失踪の真相とは…。

第90話 永遠との結婚

ヒュッレムが行方不明になってから年月が流れ、捜索は続いているものの、すでに多くの人間は諦めていた。そんな中、スレイマンは日々ヒュッレムを思い、政務からも手を引く状態に。ハティジェは苦悩する兄を見ていられず、再び兄と妹に戻りたいと提案する。スレイマンも運命を受け入れ始めた頃、偽の書簡を運んだ男が見つかって…。その頃、アマスヤでは父親の寵愛を失ったムスタファが立ち直れないまま自暴自棄な生活をしていた。

第91話 小さなヒュッレム

皇子メフメトは赴任地のマニサで、皇子ムスタファはアマスヤで、それぞれの日々を過ごしていた。ある日、メフメトは鷹匠頭(たかじょうがしら)のイリヤスに勧められて狩りに出る。一方、アマスヤで失意の日々を過ごすムスタファのもとに海軍提督フズルが訪れる。フズルはムスタファを励ますため、ムスタファを慕う歩兵常備軍(イェニチェリ)のもとへ連れていく。ハンガリーへ遠征に出た帝国軍は快進撃を続けていた。後宮ではミフリマーフの手紙がなくなるという事件が起きる。

第92話 衝撃の結末

ミフリマーフはシャーを呼び出し、乳母のエミネがシャーの間諜だったことを自白したと話す。それをスレイマン皇帝に告発されたくなければ帝都から出ていけと言い放つ。マニサではメフメトがイリヤスと剣術の稽古中に負傷。イリヤスは暗殺任務を実行しようと、ある仕掛けを施し…。遠征中のオスマン帝国軍は幾多の勝利を挙げて帰路に。その頃、マルコチョールはヒュッレムの行方に関する有力情報をつかみ、痕跡を追っていた。

Season4 エピソード

第1話 家族の集い

陰謀による失踪から不死鳥のごとくよみがえった皇帝妃ヒュッレム。我が子を玉座に就けるという決意を新たにする。スレイマン皇帝は皇子メフメトの死から立ち直れず自室に籠もる日々を過ごしていた。宮殿の勢力図も変化し、今や皇女ミフリマーフの夫リュステムが大宰相の座に就いている。そんな中、皇子たちが地方の赴任県から帝都へ召喚される。皇子たちが一堂に会したところでスレイマンから重要な決定が下されると思われていた。

第2話 後継者の器

末の皇子ジハンギルの帯刀の儀が執り行われ、皇子は極度の緊張に襲われながらも儀式の詠唱をやり遂げる。その夜、皇帝は皇子たちと食事会を開き、同席した大宰相リュステムは玉座の後継者候補からムスタファを引きずり下ろすべく、ムスタファに不利な話をする。ヒュッレムとマヒデブランは自分の息子がマニサの軍政官に指名されるように願っていた。そんな中、遠征で海軍提督フズルに捕らえた女奴隷たちが宮殿に連れてこられる。

第3話 玉座への道

4人の皇子たちはマニサの軍政官に誰が任命されるのかと落ち着かない日々を送っていた。バヤジトを推すミフリマーフと夫のリュステムは、決定が下されるまで注意して過ごすようバヤジトに釘を刺していた。ヒュッレムは、どの皇子を指名すべきだと思うかスレイマンに尋ねられる。緊張が高まる中ついに会議が招集されるが…。一方、宮殿に女奴隷として連れてこられたベネチアの貴族の娘チェチーリアが夜中に自害を試みる。

第4話 陰の守護者

玉座の県への赴任者がセリムに決まり皇帝妃ヒュッレムはバヤジトが父帝の決定を受け入れる姿を見て成長を感じていた。一方、傷心の第1皇子ムスタファは、そうそうにアマスヤへの帰路に就く。他の皇子たちもそれぞれの赴任県へ戻る日が近づき、皇子の後宮に入る側女が選ばれることに。野望を胸に秘めるチェチーリアは選ばれるために宦官長に近づくが…。狩りに出た皇帝と皇子たちだったが、またもセリムとバヤジトがいさかいを起こす。

第5話 光り輝く女

ある日の早朝、戸外で星を見上げて運命を占っていた側女チェチーリアは、星から重大なお告げを受ける。皇子たちと狩りに出ていた皇帝スレイマンは事あるごとに衝突を繰り返すセリムとバヤジトに業を煮やしていた。アマスヤでは、皇子ムスタファが暗殺を企てたとされる商人を問い詰め、真相の一端が明らかになる。トプカプ宮殿では皇子セリムがマニサへ出発する日が訪れ、皇子の後宮に入れなかったチェチーリアは強硬手段に出る。

第6話 ヒュッレムの憂い

周囲が病状を心配する中、ヒュッレムは真実を必死で隠そうとしていた。そんな中、スレイマン皇帝の妹ファトマ皇女が予定より早く宮殿に到着する。皇女は、ある若くて美しい娘を同伴させていた。アマスヤでは皇子ムスタファが内部の反逆者を見つけ出そうと躍起になる中、意外な訪問者が現れる。一方、皇子セリムは赴任が決まったマニサに到着。セリムの後宮にはヒュッレムから新たにヌールバーヌーという名をもらったチェチーリアがいた。

第7話 ムスタファの策略

皇妹ファトマが宴を開き、久しぶりに後宮が活気づいていた。だが、そんな宴の席でファトマはヒュッレムの心の傷をえぐるような暴露をする。一方、皇帝スレイマンは、ほぼ毎夜、同じ夢を見ることを気に病み、軍法官エブッスード師に相談をしていた。マニサでは赴任したばかりのセリムがお忍びで市場を視察。商人から自分の悪い評判を聞いてショックを受ける。アマスヤではムスタファが内部の反逆者を特定するため、敵をワナにかける。

第8話 誇り高き者の選択

マニサの市場で自分の悪い評判を聞いた皇子セリムは心が荒れていた。どうしても夜伽を務めたい側女ヌールバーヌーはセリムの寝所に入り込む。一方、トプカプ宮殿ではヒュッレムが身も心も引き裂くようなつらい選択をしていた。だが、その事実を知ったファトマは好機を逃さず、ヒュッレムにさらなる打撃を与えようともくろむ。そんな中、大宰相リュステムのもとにアマスヤの間諜からムスタファ皇子の計画を知らせる書簡が届く。

第9話 皇子の苦悩

自分の命が狙われていると知らされたリュステムは落ち着かない日々を過ごしていた。マニサではセリムが落ち込んでいる原因を突き止めたヌールバーヌーが何とかセリムを元気づけようとする。一方、ヒュッレムがスレイマンの寝所へ側女を送ったことを知ったファトマは、より確実な方法でヒュッレムを追い詰めようと画策。そんな中、スレイマンとバヤジトの仲を取り持とうと努めるヒュッレムの元にスンビュルからある知らせが入る。

第10話 皇女の追撃

ヒュッレムの怒りを買ったバヤジトは、予定を早めて赴任県へ戻ってしまう。アマスヤでは海軍提督の娘ミフリュニーサのムスタファに対する思いにマヒデブランが気づき始めていた。一方、歩兵常備軍のアリ長官の招きで兵舎を訪れたリュステムは、宴は自分を殺すための罠だと思い込んでいたため冷静さを失う。さらに、久しぶりに2人きりで食事を楽しんでいたスレイマンとヒュッレムの元にファトマが衝撃の事実を知らせにくる。

第11話 愛の鎧(よろい)

皇女ミフリマーフは宮殿で側女たちに揚げ菓子が振る舞われているのを見て驚きの事実を知る。赴任地キュタフヤに到着した皇子バヤジトはフーリジハンのことを思っていた。歩兵常備軍との宴席で抜刀騒ぎを起こしたリュステムに皇帝の沙汰が下る。マニサでは市場での皇子セリムの騒動で側女ヌールバーヌーたちが対応に苦慮していた。アマスヤではミフリュニーサに縁談話が持ち上がる。そんな中、ミフリマーフの体調に異変が…。

第12話 心の命

ミフリマーフの体調は幸い大事に至らずスレイマンとヒュッレムは安堵する。心配してヘルツェゴビナへの出立を遅らせていたリュステムは、捕まえた歩兵常備軍の兵士から自分を陥れた黒幕が誰なのかを聞き出す。一方、ファトマが離縁した本当の理由を知ったヒュッレムは、アンタキヤからファトマの元夫を呼び出し、ファトマが宮殿へ来た真の目的を知る。夜、ミフマリーフの回復祝いの席にファトマの元夫ムスタファが現れ…。

第13話 海軍提督の窮地

海軍提督の娘ミフリュニーサの身に危険が迫る。マニサでは側女ヌールバーヌーが地下牢に入れられていた。トプカプ宮殿では皇帝スレイマンが皇子ムスタファが帝都に攻め入る夢を見る。リュステムはヘルツェゴビナへ出立。皇女ファトマは招かざる元夫ムスタファが帝都に現れたことに腹を立てる。宦官長スンビュルは後宮でまさかの再会をする。皇子セリムは訴訟騒動に終止符を打つべく寡婦と会う。海軍提督フズルは窮地に立たされる。

第14話 スンビュルの恋

娘を拉致された海軍提督は、依然見つからない娘のため意を決してスレイマンのもとへ出向く。ヒュッレムはスレイマンの子供を身ごもった側女を排除したいと考えていたが、子供を心待ちにするスレイマンを見て迷いが生じてくる。一方兄セリムの失態を探るため、バヤジトは赴任県を離れひそかにマニサに来ていた。ヒュッレムの指示を受け翌朝の市場へ出向くはずだったスンビュルは、伝言をもらった行商人の女性のもとを訪れる。

第15話 仕組まれた疑念

マニサの地下牢で意識を失っていたヌールバーヌーは驚きの事実を知る。トプカプ宮殿でヒュッレムから密命を受けた門衛長ソコルル・メフメトは、イスラムの長老を辞任に追い込むための証拠を探していた。ムスタファの一行は拉致されたミフリュニーサの行方を懸命に追跡する。だがその後、責任感の強いムスタファは自身の行動があだとなりスレイマンに深い疑念を抱かせてしまう。ヒュッレムは占いの結果に強い危機感を覚えていた。

第16話 戒め

兄セリムの不誠実な行いに納得がいかないバヤジトは、この事実をスレイマンも知るべきだと考えていた。ムスタファはスレイマンから呼び出され、兵舎で起きたリュステムとアリ長官の事件についてスレイマンが下した決断を知らされる。スレイマンの子を身ごもった側女の出産が近づく中、ファトマ皇女の婚礼が執り行われ、ファトマが帝都から去る日が近づいていた。一方マニサではセリムの子を妊娠したヌールバーヌーが後宮で騒動を起こす。

第17話 皇子たちの恋

海軍提督の娘ミフリュニーサに思いを募らせる皇子ムスタファは気持ちを率直に伝える。トプカプ宮殿では婚礼を終えたファトマ皇女が夫との夜を迎えていた。一方、マニサからヒュッレムのもとにヌールバーヌー懐妊の朗報が届く。皇子ジハンギルはフーリジハンとキュタフヤにいる兄バヤジトを訪ねる。皇帝はマトラークチュに密命を下す。そんな中、ついに皇帝の側女ナーゼニンが産気づき…。アマスヤへ戻ったムスタファのもとに意外な人物が現れる。

第18話 秘密の関係

皇帝の側女ナーゼニンが無事に出産を終えた。フーリジハンとキュタフヤにいる兄バヤジトを訪れたジハンギルは、元気がなく部屋に籠もりきりだった。皇子たちの赴任県を見て回ったマトラークチュが戻り、スレイマンに各皇子たちの報告をするが、セリムに関する報告を聞いたスレイマンは激しく動揺する。マトラークチュの土産の蜂蜜を病気療養中の海軍提督に渡すようスレイマンから頼まれたリュステムは、ソコルルに蜂蜜を届けさせる。

第19話 禁断の愛

アマスヤで皇帝妃マヒデブランは海軍提督の娘ミフリュニーサと皇子ムスタファが深い仲になることを懸念していた。帝都では皇女ファトマの言動がきっかけとなり皇女ミフリマーフとリュステムの夫婦関係に微妙な亀裂が入る。一方、健康を回復した海軍提督フズルが御前会議に出席。訴訟問題が再燃した皇子セリムは部屋に引きこもっていた。フーリジハンに思いを募らせる皇子バヤジトは掟破りの行動に出るが、その行為が重大な事態を招くことになる。

第20話 皇帝の孤独

バヤジトが許可なく帝都へ来たことに憤慨したスレイマンの怒りを何とか鎮めようとしたフーリジハンは亡き父イブラヒムの日記帳を持ってスレイマンに会いにいく。会議中に倒れたフズル海軍提督の容体は悪化する一方で、回復の兆しは見えずにいた。そんな中、スレイマンはマトラークチュを呼び出し、皇子たちをかばうため自分にウソをついたことを責める。長年の友たちとの関係の変化を嘆くスレイマンのもとに、さらに悲しい知らせが届く。

第21話 謀略の海図

海軍提督フズルが天に召され、皇帝妃ヒュッレムと大宰相リュステムは、さっそく海軍提督の後任者探しに着手。海軍を支配下に置きたいヒュッレムはまたもや策を巡らせる。一方、皇帝妃マヒデブランは、ヒュッレムたちの動きに危機感を募らせていた。後宮宦官長スンビュルは行商人ジェヴヘルに酒を勧められ、ほろ酔い気分で口を滑らせる。皇女ミフリマーフは不仲のセリムとバヤジトを見かね、屋敷に兄弟たちだけを招いて食事会を催す。

第22話 深まる亀裂

ミフリマーフの屋敷で食事会が開かれ、久しぶりに兄弟全員が一同に会したものの不仲のセリムとバヤジトの距離は縮まる気配がなかった。自分に対する激しい嫉妬から兄弟全員に責められていると感じたセリムはヒュッレムの忠告も聞かずスレイマンに会いに行く。一方、伝令アトマジャはムスタファを守るために命じられた任務を遂行すべきか迷っていた。そんな中、皇女ファトマのもとへヒュッレムに関する耳寄りな情報が入る。

第23話 ヒュッレムの秘密

皇帝妃ヒュッレムは皇子バヤジトが腹違いの兄ムスタファを慕うことに危機感を覚えていた。ヒュッレムの秘密を握った皇女ファトマは大宰相リュステムに会い、不安をあおる言葉で揺さぶりをかける。マニサではセリムが他の女人と過ごしていることを知った側女ヌールバーヌーが皇子の部屋に押しかけるが、その勢いで産気づき…。トプカプ宮殿では、ヒュッレムの秘密を暴き、引導を渡すべくファトマとムスタファの計画が進められていた。

第24話 最大の裏切り

ヒュッレムの秘密の部屋の存在が明るみに出てスレイマンは憤慨する。秘密が漏れた原因がスンビュルの軽率な行動によるものと知ったヒュッレムは罰としてスンビュルに残酷な命令を下す。さらにヒュッレムとリュステムはムスタファに次なる一手を講じるべく新たな計略に乗り出す。一方のファトマやムスタファは今回ばかりはヒュッレムも許されないだろうと勢いづく。そんなムスタファのもとに来客があるとのことでムスタファは自ら出迎えに行く。

第25話 不肖の息子

キュタフヤのバヤジトのもとに長兄ムスタファから書簡が届く。ムスタファは至急アマスヤへ来てほしいとバヤジトに要請する。一方、トプカプ宮殿ではヒュッレムの裏切り行為を許すことのできない皇帝スレイマンが皇帝妃ナーゼニンを連れ、セリムの子供の誕生を祝うためマニサへ。リュステムのもとには計略のためにアマスヤの名士に送った書簡の返事が届き始める。ヒュッレムの残酷な命令を実行した宦官長スンビュルは生気を失っていた。

第26話 将来の皇帝

兄ムスタファの赴任県アマスヤを内密に訪れたバヤジトは、ある人物との再会を果たす。マニサではセリムの息子の命名式が行われる。マニサ到着時に酒に酔ったセリムを目撃したスレイマンは、息子を許せずにいた。ヌールバーヌーは、スレイマンと共にマニサに来ていたナーゼニンを殺すようヒュッレムから命じられていた。さらにマニサにいるスレイマンのもとに、リュステムがムスタファに関するアマスヤの名士たちからの返信を持って現れる。

第27話 長衣(カフタン)の贈り物

マニサから帝都に戻った大宰相リュステムは皇帝妃ヒュッレムにスレイマンがアマスヤの名士たちからの返信を読んだあと、激怒し、押し黙ってしまったことを報告。ヒュッレムは秘密の部屋の件でいまだ自分の顔も見てくれないスレイマンに手紙をしたため許しを請う。スレイマンは皇子ムスタファのために豪華な長衣を作らせる。その後、長衣はアマスヤのムスタファのもとへ運ばれるが、その長衣が誤解を呼び、前代未聞の事態を招いてしまう。

第28話 ムスタファの反乱

兵士を引き連れ帝都に進軍するムスタファの前に歩兵常備軍長官が現れ、このまま帝都に入ればスレイマンは処刑も辞さない気だと伝える。不穏な空気の宮殿ではジハンギルとミフリマーフがスレイマンに会うことも許されず、うろたえていた。ジハンギルの手紙をムスタファに届ける道中でリュステムの従者に捕らえられたアトマジャは真の主を吐けと執拗な拷問を受けていた。一方キュタフヤでは急なヒュッレムの来訪にバヤジトが慌てていた。

第29話 隠蔽工作

皇子ムスタファへ贈られた長衣に毒が塗られていた件で事態を重く見たスレイマンは海軍提督ソコルル・メフメトに極秘調査を命じる。皇子ジハンギルは、母親ヒュッレムと兄ムスタファの間で板挟みになり、皇帝スレイマンの前で長衣の件に関する証言を躊躇する。一方、イランからタフマースブ王の弟アルカスがオスマン帝国に亡命する。玉座を目指して再び兄タフマースブに挑みたいと言うアルカスに大宰相リュステムは言葉巧みに近づくのだった。

第30話 父子の誓い

スレイマンとムスタファは和解し、親子で殺し合うようなことは決してしないと互いに誓い合う。そんな中追放されていたはずのヒュッレムが宮殿に現れ、スレイマンは動揺する。ムスタファは行方不明だったアトマジャを無事に見つけ救い出すが、リュステムに告げられたことが頭から離れずにいた。ミフリマーフとリュステムはヒュッレムの指示でアルカス王子を食事に招く。マニサではヌールバーヌーが狩りに行ったはずのセリムを尾行していた。

第31話 新たな遠征

皇帝スレイマンは地図を広げ、新たな遠征について思案していた。ハンガリー遠征を行うべきか、イランのアルカス王子が帝国に亡命したことを好機と見て、タフマースブ王を討つべきか。スレイマンは議会を招集し、宰相や皇子らの意見を聞く。一方、キュタフヤでは師父ムスタファがフーリジハンを退去させようとするが、フーリジハンは師父に、ある取引をもちかける。父帝スレイマンと和解し、アマスヤヘ戻ったムスタファには吉報が待っていた。

第32話 ミフリマーフの決意

ミフリマーフが謎の人物から手紙を受け取ったことが発端でリュステムとミフマリーフは口論となり大問題に発展する。イラン遠征を決めたスレイマンは、オーストリアと5年間の休戦条約を結ぶ。さらにスレイマンはキュタフヤにいるバヤジトの師父からの書簡で皇子ムスタファに関する驚愕の事実を知らされ、落胆と共に激しく動揺する。一方マニサではそうとは知らずに人妻と関係を持ったセリムのもとに夫が会いに来ていた。

第33話 皇帝代理の座

大宰相リュステムは従者マフムードにミフリマーフに届いた恋文の差出人を探るよう命じる。皇帝スレイマンは皇子ムスタファに再び裏切られたという思いで怒りの手紙を送る。一方、自由人となった元後宮宦官長スンビュルは街で商売を始めようとしていた。そんな中、ヒュッレムが突然、スンビュルを訪ねる。マニサでは、再びエフタリアの夫ディミトリがセリムのもとへ現れ、金を無心する。皇女ファトマはミフリマーフの離婚問題についてスレイマンに話す。

第34話 皇女の恋

離縁の件はよく考えるようミフリマーフに伝えたスレイマンだったが、思い悩むミフリマーフを見て心を痛めていた。遠征中の皇帝代理に任命されたセリムは帝都へ向かう準備を進めていたが、金を無心するエフタリアの夫ディミトリのことが気になり落ち着かない。キュタフヤでムスタファからの手紙を受け取ったバヤジトは、手紙の内容に激しく動揺する。一方リュステムはミフリマーフに手紙を送った差出人をようやく突き止める。

第35話 籠の鳥

皇女ファトマはイランの王子アルカスの求愛に応え密会を重ねる。自室で意識を失い倒れた皇帝スレイマンが目を覚まし、体調不良を他言しないようアフィフェらに命じる。皇帝代理に任命された皇子セリムがヌールバーヌーと共にトプカプ宮殿へ到着。アマスヤでは皇子ムスタファのもとに怪しい使者が訪ねてくる。セリムとの口論で傷ついたジハンギルはスレイマンに遠征への参加を請う。ミフリマーフは皇女ファトマへの報復の機会を伺っていた。

第36話 リュステムの計略

ミフリマーフの計略でイランの王子アルカスとの密会が暴露されかけたファトマはリュステムの機転で何とか危機を逃れる。ファトマを許せないミフリマーフは計略を阻まれて面白くない。ヒュッレムは宮殿へ来たスンビュルの助言で、遠征に行くと言って聞かないジハンギルの気をそらせようとある試みをする。遠征を直前に控え、スレイマンの体調不良は相変わらず続いていたがスレイマンはかたくなに周囲に知られることを拒んでいた。

第37話 父親の愛情

叔母ファトマを許せないミフリマーフは次の手を打つ。皇子ムスタファは父帝スレイマンに許しを請うべく遠征の野営地へ赴く。バヤジトもフーリジハンとの結婚をスレイマンに隠していることに罪悪感を覚えていた。一方、トプカプ宮殿では皇帝代理を任された皇子セリムがヒュッレムに取り入ろうと奮闘する。そんな折、ポーランド王の娘アンナ・ヤゲロニカから帝都を訪問したいという書簡が届く。野営地ではスレイマンに命の危機が迫っていた。

第38話 ポーランドの王女

スレイマンは間一髪で危機を逃れる。遠征の野営地で久しぶりにゆっくり顔を合わせたムスタファ、バヤジト、ジハンギルの3人の皇子は互いに対する信頼をさらに強固にする。一方イスタンブールではではポーランドの王女アンナ・ヤゲロニカを宮殿に迎えていた。祖国の王女が支援を請う姿にヒュッレムは人生の不思議を感じる。セリムはヌールバーヌーの助言に従い、ひたすらヒュッレムを立てていた。そんな中、アフィフェに野営地から手紙が届く。

第39話 凶夢

イラン遠征中のオスマン軍はタブリーズに迫る。だがタフマースブ王の弟アルカス王子が約束を果たさず、皇帝スレイマンはイラだちを隠せない。トプカプ宮殿では、皇帝妃ヒュッレムがスンビュルの店のコーヒーをポーランド王女に振る舞う。スンビュルはヒュッレムに自分が見た不吉な夢の話をする。皇帝の後継者に皇子ムスタファを推す海軍司令官ピーリーは、ヤヴズに新たな指令を課す。ヒュッレムは早世した皇子メフメトの命日に霊廟を参拝する。

第40話 皇帝の病(やまい)

体調不良が続いていたスレイマンは遠征先の野営地で倒れてしまい、結局バヤジトたちと共に帝都に帰還する。かたくなに病気のことを隠そうとするスレイマンだったがアフィフェから事情を聞いていたヒュッレムは心配でならない。周囲も皇帝の明らかな異変に気づき始めていた。一方ファトマは帰還した一行の中に婚約者のアルカス王子の姿がないことに気づく。そんな中、アマスヤにいるムスタファのもとに帝都から訪問者が来る。

第41話 玉座の駆け引き

帝都ではスレイマン皇帝の健康不安についてウワサが広まっていた。市場でコーヒー店を営む元後宮宦官長スンビュルもじっとしていられず宮殿のヒュッレム妃のもとを訪れる。一方、スレイマンの重篤な症状を受け、御代替わりを見据えて歩兵常備軍と海軍が水面下で動き出す。皇帝妃ヒュッレムはリュステムに後継者候補をバヤジトではなくセリムに決めたと告げる。そんな中、スレイマン皇帝がうわごとで最年長の皇子ムスタファの名前を呼ぶ。

第42話 恐怖との対峙(たいじ)

意識を取り戻したスレイマンは帝都でのウワサを一掃させようと完成したばかりの亡きメフメト皇子のモスクで金曜礼拝を行うと発表する。しかしスレイマンの病状は一進一退が続いていた。リュステムはこのままでは反乱が起こりかねないと、セリムに歩兵常備軍と直接話すよう進言。ヌールバーヌーが必死で止めるのも聞かずセリムは歩兵常備軍の兵舎へと向かう。知らせを受け心配するヒュッレムの前にスレイマンに会いに来たムスタファが現れ…。

第43話 暗闇にさす光

歩兵常備軍の兵舎からムスタファに連れられセリムが無事に宮殿へ戻る。セリムは軍団がムスタファに絶大な敬愛を寄せる姿を目の当たりにし、自分の行く末を案じていた。皇女ミフリマーフは次期皇帝と目されるムスタファに対して敵意をむき出しにする。皇帝妃マヒデブランは意識の戻らないスレイマンにこれまでの恨みつらみをぶつける。一方、リュステムの前に思わぬ訪問者が現れる。そんな中、意識の戻らないスレイマンの容体に変化が…。

第44話 ミフリマーフの加担

スレイマンは長い眠りから目覚め完全に回復した。歩兵常備軍や民のムスタファに対する絶大な敬愛を肌で感じたヒュッレム、リュステム、ミフリマーフたちは安堵すると共に将来への不安を募らせていく。スレイマンは回復したことを世に示すため亡きメフメトのモスクでの金曜礼拝に参加。その後セリムと騒動を起こした歩兵常備軍の兵舎へ向かう。時が経ち、皇子たちがそれぞれの赴任地で平和に暮らす中、ミフリマーフがスレイマンにあることを願い出る。

第45話 むしばまれる木

皇帝妃ヒュッレムと大宰相リュステムは皇子ムスタファを葬り去る新たな計略を着々と進めていた。皇子ジハンギルは、計略の空気を敏感に感じ取り、皇女ミフリマーフをけん制する。一方、占星術を行っていた首席占星学者の計算により、近く太陽が隠れ、昼が突然、暗闇に包まれるという結果が導き出される。皇帝スレイマンは臣下の動揺を防ぐため、この結果を口外しないように言う。そんな中、遠征に出たリュステムの野営地で兵士が死体で発見される。

第46話 心の猛獣

兵士が殺されたことで陣営での立場が危うくなったリュステムは、スレイマンに書簡を送り反乱の危機を訴える。帝都からの情報源がジハンギルのみとなったムスタファは様子を調べさせるためアトマジャを帝都へ行かせる。アトマジャが帝都に到着するとムスタファを支援しているはずのピーリーの姿が消えていた。アマスヤではムスタファが息子のメフメトを連れて狩りへ行く。そんな中スレイマンのもとにソコルルがある書簡を持って現れる。

第47話 ワナに落ちた皇子

アマスヤではムスタファ皇子が幼い息子メフメトを連れて狩りに出ていた。トプカプ宮殿では皇帝スレイマンがイランの王タフマースブが皇子ムスタファに宛てた返書を読み、息子の裏切り行為に顔色を変える。その後、苦悩するスレイマンは口数も減り、1人で過ごすことが多くなっていく。そんな中、天に異変が起こり、太陽が欠け始める。皆は不安げに天を仰ぐのだった。その後、アマスヤのムスタファのもとにスレイマンから参上命令が届く。

第48話 瞳の中に見えるもの

ムスタファの潔白を信じるジハンギルとバヤジトはスレイマンに兄の無実を訴えにいく。結局ジハンギルは遠征に参加することを決め、バヤジトは皇帝代理として宮殿に残ることに。一方マニサにいるセリムは遠征に参加するよう命じられていた。周囲が必死で止めるのも聞かずスレイマンを頑なに信じ参上命令に従おうとするムスタファを守ろうと、アトマジャは一足先に陣営へと向かう。非常事態を警戒するリュステムは陣営での警備を強化していた。

第49話 皇帝の死に神

トプカプ宮殿では皇帝スレイマンがコンヤの陣営へ出発。見送りに立つ皇帝妃ヒュッレムはスレイマンのただならぬ様子を感じ取っていた。一方、皇子ムスタファもコンヤへ発つ日が訪れ、皇帝妃マヒデブランや妻ミフリュニーサらは皇子の無事を祈りながら見送る。コンヤの陣営ではアトマジャが歩兵常備軍の隊長たちを集め、反乱の段取りを確認していた。そんな中、コンヤの陣営から少し離れた場所に天幕を張ったムスタファのもとに謎の矢文が届く。

第50話 息子よ

スレイマンと共に陣営に到着していたジハンギルはムスタファのもとをこっそり訪れる。同じ頃セリムはスレイマンに呼び出され明日はジハンギルと狩りに行くようにと命じられる。翌日ムスタファはスレイマン宛ての手紙を胸に携えスレイマンの待つ陣営へ。すると道中に歩兵常備軍の一部の兵士たちが道を塞いでムスタファを待っていた。一方ムスタファを見送ったタシュルジャルは味方の兵士たちと共にアトマジャの反乱開始の合図を待っていた。

第51話 遺書

ムスタファの息子メフメトは、師父から皇帝の命令は絶対だと教えられ、メフメトは「皇帝が命を取ろうとしても従うのか」と問う。コンヤの陣営では、皇子ムスタファが皇帝スレイマンの天幕で処刑人たちにくびり殺されていた。スレイマンはムスタファの遺体を抱き、慟哭する。歩兵常備軍は大宰相リュステムの計略でムスタファが処刑になったのだと主張し、怒りの矛先がリュステムへ向かう。ムスタファの訃報に接したマヒデブランたちは悲しみに暮れる。

第52話 慟哭(どうこく)

罷免され帝都に逃げ帰ったリュステムによりムスタファの処刑が知らされ、宮殿中に大きな衝撃が走る。ファトマとギュルフェムがヒュッレムとリュステムを激しく責めるのを見たバヤジトはヒュッレムに対し怒りを覚える。さらにムスタファを慕う多くの民も処刑に動揺していた。一方悲嘆に暮れるマヒデブランたちはアマスヤを離れムスタファの遺体があるブルサへ向かう。兄に最後の別れをしようとバヤジトもブルサの葬儀へ向かうと言い張る。

第53話 真の悲劇の始まり

帝都イスタンブールでムスタファの処刑に憤慨する民衆が暴動を起こす。皇子ムスタファが埋葬されたブルサに皇帝の使者が訪れ、皇帝妃マヒデブランらに帝都のそばの屋敷に移るよう勅命を伝えるが、その裏にはある目的が隠されていた。コンヤの陣営ではムスタファの処刑に衝撃を受けた末の皇子ジハンギルが食事を拒絶し衰弱していた。リュステムの一家は暴徒から逃れユスキュダル宮殿に身を隠す。だが宮殿の様子をうかがう黒い人影があった。

第54話 背に翼をもつ皇子

コンヤの陣営では衰弱したジハンギルが体の痛みに苦しんでいた。見かねたスレイマンは医師が薦めた薬の服用を渋々許可する。スレイマン自身もまた、睡眠不足で体に不調が出ていた。一方、帝都ではリュステムがユスキュダル宮殿に身を隠しているのを突き止めたアトマジャたちがムスタファの無念を晴らそうとリュステム殺害の計画を立てる。ある晩、暴徒がユスキュダル宮殿に押し寄せリュステムやミフリマーフを取り囲むが…。

第55話 魂の解放

トプカプ宮殿に押し寄せた民衆は「リュステムを渡せ!」と口々に叫んでいた。事態を収拾するため、皇帝代理を務める皇子バヤジトが毅然とした態度で民衆の前に立つ。コンヤの陣営ではジハンギルが驚異的な回復を見せ、皇帝スレイマンを散策に誘う。皇子ムスタファの死後52日の祈りの儀式に皇帝妃ヒュッレムと皇女ミフリマーフが姿を現すが皇女ファトマと皇帝妃ギュルフェムは、よく顔が出せるものだと2人を責める。一方、ジハンギルの容体は急激に悪化し…。

第56話 罪の代償

リュステムはアトマジャたちに捕らえられた弟シナンを救出しに行こうとするがミフリマーフに止められる。一方ジハンギルのもとへ急ぐヒュッレムとバヤジトの前にセリムが棺と共に現れる。末の息子ジハンギルの死でヒュッレムは大きく打ちのめされる。息子2人をほぼ同時に失ったスレイマンもまた深く苦しんでいた。ムスタファとジハンギルの死去により残された皇子はセリムとバヤジトの2人となり、2人の対立がますます深まっていく。

第57話 挽歌

前大宰相リュステムは宮殿から自分の命令には従うなというお達しが出たことに激怒しソコルルを怒鳴りつける。皇子バヤジトの極秘結婚を知ったヌールバーヌーはよからぬことを考えていた。皇女ミフリマーフは失意の日々を過ごす皇帝妃ヒュッレムに残された子供たちのために立ち直ってほしいと訴える。皇帝スレイマンはアマスヤを訪ね、皇子ムスタファの側近タシュルジャルが作った挽歌を読む。そんな中、ルメリ州に偽ムスタファが現れ…。

第58話 計略の代償

ヌールバーヌーの計略で宮殿にフーリジハンが現れバヤジトやヒュッレムは困惑する。何とか隠し通そうとするヒュッレムたちの様子にヌールバーヌーはいらだちを覚える。ミフリュニーサが自害し1人宮殿に残っていたマヒデブランは自分以上の苦しみを味わうよう呪い続けてやると叫びながらヒュッレムに襲いかかる。一方リュステムはスレイマンの命令で宮殿から追い出されることに。その背後には亡きムスタファのため報復に燃えるアトマジャがいた。

第59話 迫られる選択

皇子バヤジトとフーリジハンの極秘結婚の暴露を巡って、対立が深まるバヤジトとセリム。ついには皇帝妃ヒュッレムの前でつかみ合いのケンカに。皇帝代理のバヤジトはセリムに宮殿から出ていくよう命じる。一方、ヒュッレムは極秘結婚を暴露した黒幕としてヌールバーヌーを呼び、きついお灸を据えていた。皇帝スレイマンは傷心を抱えたままアマスヤで過ごしていたが、帝都を離れて2年がたち、帰還を決心する。バヤジトは亡きムスタファの腹心と密会する。

第60話 癒えない傷

2年の月日を経てスレイマンがようやく帝都に帰還する。ヒュッレムはバヤジトの極秘結婚の話を決してスレイマンに暴露しないようセリムに釘を刺す。亡きムスタファの腹心アトマジャはバヤジトに仕える決心をし、バヤジトと共に反乱鎮圧に乗り出す。弟バヤジトとの対立を決心したセリムは、アフメトやソコルルと共に弟を陥れるための計画を着実に進めていた。ミフリマーフは追放された夫リュステムの復帰を懇願しようとスレイマンに会いに行く。

第61話 皇太子宣下

偽ムスタファの乱の鎮圧に無用な流血を望まない皇子バヤジトだったが、宰相ソコルルの軍隊の介入を受ける。皇子セリムの支持者である大宰相アフメトは皇帝スレイマンにバヤジトを貶める報告をし、激怒したスレイマンはバヤジトに帰還命令を下す。見かねた皇帝妃ヒュッレムは事態の成り行きに危機感を抱き、リュステムにバヤジトを帝都へ連れて帰るよう命じる。帝都へ戻ったバヤジトはスレイマンと会食をするが、父帝の逆鱗に触れてしまう。

第62話 母の苦悩

皇太子にセリムが指名されたことで落ち込むバヤジトを前にヒュッレムは2人の母として複雑な気持ちを抱いていた。そんな中リュステムからバヤジトはワナを仕掛けられ、背後にはセリムがいると言われ動揺したヒュッレムはセリムに問いただしにいく。一方のセリムはヒュッレムに疑われたことで大宰相アフメトに用心するよう釘を刺す。ヒュッレムを苦しめたいファトマは2人の皇子だけでなく皇子の妃たちも対立するよう仕向けるのだった。

第63話 黒の礼服(ヒラット)

リュステムは財務長官の部屋で皇子バヤジトが計略に陥れられたことを証明する証拠を探していた。一方、皇帝スレイマンのもとにはエジプトから税金の増額で困窮しているという苦情が殺到する。皇帝妃ヒュッレムはセリムとバヤジトの兄弟間の対立に心を痛め、皇帝の私室に双方の家族を呼び、団らんの時間を作る。だが、ヌールバーヌーとフーリジハンが火花を散らすことに…。その後、リュステムの執念の調査により、真実が公になる。

第64話 皇子妃のいさかい

不正が明らかとなったアフメトが処刑されリュステムが再び大宰相に返り咲く。指示どおりリュステムがセリムを守ったことで、ミフリマーフはヒュッレムにバヤジトへの支持を表明するよう迫る。夫の処刑で傷心のファトマをよそに後宮ではセリムの息子ムラトの割礼を祝う宴が続いていた。途中姿を消したヌールバーヌーを不審に思ったフーリジハンは、こっそり尾行する。一方ブルサのマヒデブランのもとに帝都から送られた伝令が勅命を通達しに来る。

第65話 蛇の切り札

フーリジハンに傷を負わせた犯人は現場に耳飾りの片方を落としていた。後宮出納官ファーリエは皇帝の命令により皇子妃ヌールバーヌーの部屋を捜索する。 皇子バヤジトは祈るような気持ちで死の淵をさまようフーリジハンに付き添っていた。ヒュッレムは犯人を捜すべく独自に耳飾りの持ち主を調べる。一方、マヒデブラン妃たちが身を寄せるブルサにアトマジャが現れる。ユスフは、生きていながら何の音沙汰もなかったアトマジャを責める。

第66話 皇帝の疑心

皇子2人が赴任県へ戻る日が近づいていた。バヤジトの支援を決断したヒュッレムは2人の赴任先に、それぞれ信頼のおける者たちを帝都から送り込む。さらにヒュッレムは傷心のバヤジトに立ち直ってもらおうと自ら選んだ数人の側女もキュタフヤに送る。皇子たちが帝都を離れ、スレイマンとヒュッレムは2人きりになった。久しぶりに変装して外出したスレイマンはコーヒー店でムスタファの処刑に関するウワサを耳にして激しく動揺する。

第67話 獅子の性(さが)

スレイマンに呼び出された皇帝妃ヒュッレムは、亡き皇子ムスタファについての思いがけない問いかけをされ、戸惑っていた。一方、マニサで命を狙われた皇子妃ヌールバーヌーは、暗殺未遂事件の裏にヒュッレムがお目付け役として送り込んだファーリエがいるのではないかと疑う。キュタフヤでは側女デフネが傷心のバヤジトに思わせぶりな手紙を書き残す。そんな中、皇女ミフリマーフが謎の病に。宰相ソコルルは、ある腕利きの医師の診察を勧める。

第68話 占い

謎の病にかかったミフリマーフを心配したヒュッレムは占い師のもとへお忍びで出向く。占い師のハジェルはミフリマーフの病気の件以外に残った皇子2人の行く末についても言及する。一方マニサではセリムが名高い資産家で商人のヨセフ・ナスィに会い親交を深めていく。さらにヌールバーヌーを慕う侍従ガザンフェルはヌールバーヌーに大きな決断を迫られていた。キュタフヤでは傷心のバヤジトがしだいに側女デフネに心を開き始める。

第69話 終末の悪夢

皇子バヤジトのもとに帝都からキュタフヤへ金を運んでいた部隊が襲撃されたという一報が入る。トプカプ宮殿では、民をあおり皇帝妃ヒュッレムを襲わせようとした人物が判明する。ジハンギルを亡くしてから安眠できないヒュッレムは、さらに不吉な夢を見る。いまだ皮膚の炎症が治まらない皇女ミフリマーフは再びスペイン人医師の診察を受けることに。皇子ムスタファを処刑し、心に闇を抱える皇帝はヒュッレムに何も告げずエディルネへ向かう。

第70話 埋まらぬ溝

ミフリマーフが快方に向かっているのを確認したヒュッレムは何も告げずにエディルネへ行ってしまったスレイマンを心配して自らもエディルネへ向かう。到着してみるとスレイマンは1人寂しく過ごしてはいなかった。アマスヤではバヤジトから衛兵の生首を送りつけられたセリムが死の恐怖に怯えていた。そんなセリムの目を覚まさせようとヌールバーヌーはある画策をする。一方快方に向かっていたはずのミフリマーフだったが別の箇所に炎症が出始める。

第71話 忍び寄る死の影

皇帝スレイマンは女大商人グラツィア・メンデスを帝国に手厚く迎える準備を整えていた。一方、キュタフヤでは皇子妃ヌールバーヌーの使いが側女デフネに皇子バヤジトの暗殺命令を伝える。バヤジトを殺す話など聞いていないと激しく抵抗するデフネだったが…。師父ムスタファの書簡がエディルネにいる皇帝妃ヒュッレムのもとへ届き、危機感を募らせたヒュッレムは急ぎマニサヘ向かう。だが、道中、馬車の中でヒュッレムが体の異変を訴える。

第72話 ヒュッレムの病(やまい)

武装したバヤジトが兵と共にアマスヤに現れ、セリムとヌールバーヌーは動揺する。同じ頃、ヒュッレムは体の不調を抱えつつもアマスヤへと急いでいた。師父ムスタファが説得を試みるもバヤジトの怒りは収まらず、セリムは武装してバヤジトの前へ。周囲が凍りつく中、皇子2人は刀を抜き…。一方スレイマンはエディルネでの静養を終え、女大商人グラツィア・メンデスと共に帝都に帰還する。ミフリマーフは治ってきていた炎症が再び体に出始める。

第73話 皇子たちへの警鐘

皇帝妃ヒュッレムは、皇子バヤジトの書簡が父帝スレイマンに届くことを恐れていた。皮膚の炎症に悩む皇女ミフリマーフは奴隷の医師ペドロにより快方に向かう。宰相メフメトは、ペドロをミフリマーフに献上すると皇帝に申し出るが、夫リュステムの反発はすさまじく…。マニサで皇帝妃ヒュッレムは、セリムとバヤジトを和解させるべく奮闘していた。帝国で商取引を始めた女大商人グラツィア・メンデスだったが、その商船には秘密があった。

第74話 愛の復活

自分は深刻な病気に冒されていると知ったヒュッレムは病気のことは誰にも言うなとスンビュルに警告する。帝都に戻るとヒュッレムの寝台にスレイマンからの手紙が置かれていた。マニサではセリムの息子ムラトの地方赴任が決まり、ヌールバーヌーと娘たちも一緒に行くようセリムに命じられる。キュタフヤにいるバヤジトは出産後に処刑が決まっているデフネにマニサから連れてきた妹を会わせる。一方ミフリマーフはペドロと会えなくなり沈んでいた。

第75話 最悪、最強の敵

キュタフヤの皇子バヤジトのもとに師父ムスタファから皇子セリムが皇帝スレイマンに宛てて書いたという書簡が届き、自分を告発するような内容を見たバヤジトは激怒する。一方、港では出帆の時が迫る医師ペドロが皇女ミフリマーフを待っていた。皇帝スレイマンは帝国の医学の粋を集め、ヒュッレムの病気を治療しようとする。大宰相リュステムは女大商人メンデスと夕食を共にする。セリムはバヤジトから書簡と屈辱的な贈り物を受け取る。

第76話 許し

ヒュッレムの病気の治療に温泉が効くかもしれないと医師たちに勧められ、スレイマンはヒュッレムをブルサに連れていく。ヒュッレムの治療中、スレイマンはムスタファの霊廟を訪れる。ヒュッレムもまた、ブルサの宮殿に住むマヒデブランを訪れていた。死期が近いと悟ったヒュッレムはスレイマンに一緒に帝都に帰り、子供たちを呼び集めてほしいと頼む。一方バヤジトからの果たし状を受け取ったセリムは指定された場所へ武装して向かう。

第77話 魂の伴侶

皇帝妃ヒュッレムが皇帝スレイマンと共にブルサでの湯治から戻る。出迎えた皇女ミフリマーフは立っているのもつらそうなヒュッレムの様子を見て不安を募らせ、スレイマンに本当の病状を問う。スレイマンはセリムとバヤジトに至急帝都に戻るよう知らせを送る。大宰相リュステムと大商人メンデスは男女として急接近していた。一方、キュタフヤでは側女デフネの出産が始まる。ヒュッレムは過去を清算するためスンビュルにあることを頼む。

第78話 祈り

スレイマンは建設中のモスクに出向き首席建築家のシナンに早く完成させるよう命じる。ヒュッレムはスンビュルが捜し出したイブラヒムの墓に来ていた。ミフリマーフは胃の不調が続いていたが、リュステムは自分の気を引くための仮病だと信じ込む。セリムとバヤジトはスレイマンからの突然の呼び出しの理由が分からず兄弟間での争いが原因だろうと警戒心を強める。不安を抱えながらも皇子2人はそれぞれの妃と子供たちを従えて帝都に到着する。

第79話 永遠の愛

皇帝妃ヒュッレムが余命わずかだと知った皇子セリムとバヤジトは動揺を隠せない。だが、側近たちはすでにヒュッレム亡きあとの皇帝の後継者争いのことを気にかけていた。ヒュッレムは大宰相リュステムを呼び、自分の死後、セリムとバヤジトの争いを阻止し、2人を導いてほしいと頼む。スレイマン皇帝は自身の名前を冠した壮麗なモスクが完成し、初めての礼拝を行う。不死鳥の夢を見たヒュッレムは死期を悟り、愛する者たちとの最後の食事会を開く。

第80話 母の遺言

ヒュッレムの死はスレイマンや子供たちだけでなく宮殿中を大きな悲しみに包んだ。盛大な葬儀が執り行われ、ヒュッレムの遺言どおり遺体はスレイマンの名前を冠したモスクに埋葬される。葬儀のあとセリムとバヤジトにヒュッレムが2人に残した贈り物と手紙が渡される。ミフリマーフはヒュッレム亡きあともバヤジトを一緒に支えるようリュステムに念を押す。さらにミフリマーフは塞ぎ込むスレイマンを慰めようとスレイマンの部屋を訪れる。

第81話 明けぬ喪

ヒュッレムを亡くし、深く喪に服す皇帝スレイマンは、トプカプ宮殿で静寂を保ち、金銀など華美な物を使わないよう命令する。皇子セリムとバヤジトの和解を心から望んでいたヒュッレムだったが、母親の切なる願いをよそにセリムは玉座に就くための行動を開始する。一方、予定より早くミフリマーフが産気づき…。皇子妃ヌールバーヌーはよく当たると評判の占い師のもとを訪ね、未来を占ってもらう。占い師は驚くべき予言をするのだった。

第82話 セリムの策略

セリムはバヤジトが送ってきた木箱の中身と書簡をスレイマンに見せ、本当は争いたくないのに弟が無礼な挑発をやめないと主張する。呼び出されたバヤジトは師父ムスタファを証人として呼ぶが…。バヤジトを支援するミフリマーフは何とかして弟を助けようと、公正な判断をするようスレイマンを説得しに行く。セリムたちと共にマニサへ戻った女官長のファーリエは、行方不明になっていた亡きヒュッレムの指輪をヌールバーヌーの部屋で見つける。

第83話 父帝の最後通告

皇子セリムとバヤジトの兄弟の確執に心を痛める皇帝スレイマンはそれぞれに書簡を送る。それは父として、統治者としての最後通告だった。一方、キュタフヤではアマスヤ赴任を命じられたバヤジトがきたるべき兄弟間の戦争に備え、準備を急いでいた。マニサではセリムもまた勢力の拡大を画策する。大宰相リュステムは大商人メンデスを訪ね、情事を暴露したことを責める。ミフリマーフは兄弟間の戦争を止めるため、スンビュルと共に奔走する。

第84話 バヤジト挙兵

スレイマンの命令どおりセリムはコンヤへ、バヤジトはアマスヤへ赴任する。しかしバヤジトは挙兵を諦めたわけではなく打倒セリムに向けて陰で着々と準備を進めていた。ミフリマーフはバヤジトの勝利を信じ支援するがリュステムはバヤジトの状況に危うさを感じていた。やがてバヤジトがアマスヤでも依然兵士を集めている事実がスレイマンの知るところとなり、悩んだスレイマンはイスラムの長老エブッスード師に見解を尋ねる書簡を送る。

第85話 運命の一矢

ついにコンヤ平原で皇子セリムとバヤジトの両軍が対峙し、戦いの火ぶたが切られる。決戦初日、歩兵常備軍に不人気のセリムは軍団の士気を高められず、傭兵ばかりを抱えるバヤジトの軍が優勢に。その後、スレイマン皇帝からセリムの軍を司令官として率いるよう命じられた宰相ソコルルが戦場に到着。バヤジトは加勢の確約を取りつけていた3人の軍政官ら援軍の到着を待つ。一方、帝都ではミフリマーフがスレイマンにバヤジトを許してほしいと懇願する。

第86話 逃亡

ソコルルと合流しバヤジトを追うようにとのスレイマンの勅命がセリムのもとへ通達される。大軍が迫ってくることを知ったバヤジトは末の息子メフメト以外の4人の息子と共にアマスヤを離れる。自ら下した勅命に父として苦しむスレイマンは痛風が再発し倒れてしまう。苦しむスレイマンを見たミフリマーフはまだ希望があると信じ、バヤジト救済に向けて懇願を続ける決心をする。一方バヤジトは追っ手から逃れようとイランの国境付近を移動していた。

第87話 執念の仇(あだ)討ち

皇帝スレイマンの宿敵サファヴィー朝の王タフマースブのもとに身を寄せたバヤジトは自分の身の潔白を訴える手紙をスレイマンに送る。バヤジトはアトマジャを呼び、かつての約束を果たす時が来たと告げる。そんな中、アマスヤに残してきたはずの妃デフネが皇女ミフリマーフの手紙を携えイランにやってくる。手紙には驚くべきことが書かれてあった。一方、弟バヤジトの存在を恐れる皇子セリムは、バヤジトに最後のとどめを刺すべくある行動に出る。

第88話 迷える皇子

イランのタフマースブ王のもとにスレイマンの使者ヒュスレヴがやってくる。スレイマンとセリムのうち、よりいい条件を出したほうにバヤジトを引き渡したいと考えるタフマースブはバヤジトを直ちに渡す要求には応じなかった。一方帝都ではリュステムの急死により大宰相の職位が空席になっていた。序列上はセミズ・アリが後任となるのが順当だと思われたが、セリムとヌールバーヌーは自分たちに忠実なソコルルが任命されることを望んでいた。

第89話 王(シャー)の宴(うたげ)

皇子バヤジトは、イランの宮殿から脱出するため、タフマースブ王の襲撃計画を実行に移そうとする。だが、思いもよらぬ展開が待ち受けていた。皇子妃デフネはアマスヤへ戻り、妹たちと再会するが…。一方、皇帝スレイマンは心と体に不調を抱えていた。スレイマンは、タフマースブ王が取引の合意を破ったことを知り、激怒する。コンヤで皇子セリムは大商人グラツィア・メンデスの力を借り、タフマースブ王に要求された金額の金貨を用意する。

第90話 無情な仕打ち

タフマースブ王によりイランで幽閉されたバヤジトと息子たち4人のもとに勅使ヒュスレヴの命令で来たという軍曹が現れる。ようやくタフマースブ王のもとから解放され帝都に戻れると喜ぶバヤジトたちだったが…。それから5年がたち、断食明けのお祝いにセリムやヌールバーヌーたちが帝都にやって来る。成長したセリムの娘たち3人は、それぞれが高官と結婚していた。スレイマンの痛風は回復の兆しもなく、痛みは悪化する一方だった。

第91話 寂しい祭り

断食明けの祭りの時期を迎えたがトプカプ宮殿は沈んだままだった。小姓頭フェルハトは宮殿の重い空気に耐えかね去ることを考える。スンビュルはフェルハトが“あの夜”から人が変わったと言うのだった。そんな中、セリムがミフリマーフの部屋を訪ねる。バヤジトの一件で憎しみを募らせるミフリマーフはセリムと激しく対立する。一方、セリムの息子ムラトが寵愛する側女と共にトプカプ宮殿へ到着。ヌールバーヌーはミフリマーフが贈った側女だと知り警戒する。

第92話 最後の遠征

かつて亡きバヤジトが赴任していたキュタフヤへの赴任を命じられたセリムは犯した罪に苦しみ飲酒の量が増えていた。変装して市場へ出かけたスレイマンは皇帝をけなす商人の会話に憤慨し商人につかみかかってしまう。その姿を偶然帝都に来ていたマヒデブランが目にする。己の威厳を取り戻そうとスレイマンは自ら遠征に出向き軍を率いると宣言。高齢なうえに病を抱えたスレイマンを心配し、医師やミフリマーフが必死で説得を試みる。

第93話 壮麗なる皇帝スレイマン

自らの信念を貫くため、満身創痍で遠征に出た皇帝スレイマン。マクシミリアン2世に思い知らせ、イスラムの支配を広げるため、まずシゲトヴァルの攻略を試みる。トプカプ宮殿では皇子セリムに対して敗北を認めた皇女ミフリマーフが宮殿を去ることに。そんな中、シゲトヴァルの戦いは厳しい戦局を迎え、スレイマンは、最後の力を振り絞り、帝国軍を鼓舞する。「皇帝陛下万歳!」の声を一身に受けながら天幕に戻ったスレイマンの体に異変が起こる。

この記事の執筆者

海外ドラマフリーク編集長
海外ドラマフリーク編集長
U-Next, hulu, Amazonプライム, apple TV+, Netflixなどのドラマを年間1,000エピソード以上を見ています。ドラマを見た感想をネタバレにならないように気をつけながら記載していきます。

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原題ほか:The Magnificent Century, オスマン帝国外伝