The Third Day／サード・デイ 祝祭の孤島

あらすじ

米HBOと英Skyによる共同製作で、前半と後半に分けられる6話構成のドラマ。夏を描く前半では、イギリス沿岸にある島に流れ着いたサムという男性が、謎めいた住民たちによる奇妙な生活に交わり、島独自の儀式に心を揺さぶられて過去のトラウマと向き合うことになる。現実と妄想の区別がつかなくなったサムは精神のバランスを崩し、やがて住民たちと衝突して彼らの共同体を脅かす存在となる。後半となる冬では、強い意志を持つはみ出し者のヘレンが答えを求めて島にやって来るが、彼女が到着したことで島の運命を決める激しい戦いを引き起こしてしまう。

The Third Day／サード・デイ 祝祭の孤島の感想

カルト的人気の英国ドラマ「Utopia ユートピア」のデニス・ケリーが脚本を執筆。ジュード・ロウ（「ヤング・ポープ 美しき異端児」）が前半の主人公サムを演じ、『007』シリーズでイヴ・マネーペニーを演じるナオミ・ハリスが後半で主役となるヘレンを演じる。このほかにエミリー・ワトソン（「チェルノブイリ」）なども共演。孤立した島、排他的で奇妙な雰囲気など、映画『ミッドサマー』や『ウィッカーマン』を思い起こさせる。エピソード初回の、サムが島に渡るきっかけとなった少女の出来事がショッキングで、そのドキドキのままサムと一緒に島のストーリーに引き込まれていく。サムの表情を常に至近距離で捉えている映像が印象的。感情を細やかに表現するジュード・ロウの演技力はさすがで、オーラも消しているのでいつもの格好良さも感じられないほどだ。そして初回の最後にはサムの言動の矛盾が示されるため、一気に謎が深まっていく。人間の内面を映し出す、良質なミニシリーズ・ドラマだ。

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予告編

Season1　エピソード

第1話　１日目

森の中で見知らぬ少女を助けたサムは、彼女を家に送り届けるため、引き潮の時しか行き来できないオシー島に渡る。本土から孤立し、自分たちの文化や伝統を守る生活をしている彼らのどこか奇妙な空気に戸惑うサムは、自身の緊急事態に対応するため、必死で道路が水没する前に帰ろうとするが間に合わず、翌朝まで滞在せざるを得なくなる。その夜、島のパブに島民が集まり、サムも一緒に楽しく飲み明かすが…。

第2話　２日目

悪夢にうなされて目覚めたサムは再び干潮を逃す。散歩中に襲われ死にかけたサムは島を出たいと取り乱すが、パブのオーナー夫婦に言いくるめられてしまう。彼の悲しい過去とこの島に何か関わりがあると感じ始めたサムは、ジェスにその辛い出来事を打ち明け、もうひと晩、島に残ることになったため、島の祭りのリハーサルを見物することに。見物最中、ジェスに誘われ薬物を飲んだサムは意識が混濁し始める…。

第3話　３日目

ラリーのもとをどうにか脱出したサムは、自分と島との繋がりを知り、島に来たのが偶然ではなく導かれていたということを初めて悟る。ジェスと合流し、ボートで島から脱出しようと試みるサムだったが、マーティン夫妻から更に衝撃の事実を聞かされる。

第4話　月曜日

長女エリーの誕生日のサプライズに次女と母娘３人でオシー島に来たヘレンは、静まりかえった町と随所で見る奇妙な落書きを不信に思いながら事前に予約していた宿に向かうが、理由もなく門前払いされる。島中の宿に拒否され意地になったヘレンは工事中のホテルに立ち入り、不可解なものを見てしまう。引き潮を逃し島に足止めされてしまった３人は民宿をやっているパブに行き、暖をとらせてくれと頼むが…。

第5話　火曜日

女性が苦しむ声で目を覚ましたヘレンが下の階に降りてみると、臨月で苦しむジェスを島民たちが取り囲んでいた。ジェスの逆子を直したヘレンは「御礼に何でもする」と言ったマーティンにサムの写真を見せるが、この島には来ていないと言われる。一方、島の言い伝えを強く信じている奇妙な少女が長女エリーに近付き、島民しか立ち入ることができないミステリアスな場所に彼女を連れて行く。

第6話　最終日

ヘレンがビッグハウスにたどり着くと、そこには変わり果てたサムが立っていた。ネイサンと一緒にここに住んでいると話すサムに怒ったヘレンは、サムのせいでネイサンは死んだと責める。一方、女の子を出産したばかりのジェスはこの島の真のリーダーはこの赤ん坊だと主張し、本土へ渡る道を封鎖、サムを支持する島民たちを容赦無く始末していく。